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ヨロズブ  作者: 有氏ゆず
第七話 彼女と協力することになったんだが
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7-4





「……最初に、ループに気づいたのは今年の春……4月くらいのことだった。まだサキが転校して来る前。でもその時は、ループしてるだなんて思いもしなかった。あれ?さっきも同じことが起こったような……ってその程度」


成程。最初はデジャブか何かだと思ってたのか。

まあ普通は「あれ?今時が戻った?」となんて思わないよな。


「それが確信になったのは……この前、ぼくの目の前で男の人がトラックに跳ねられた……その時だった」

「ああ……あのホームレスの」

「うん。あの人、居なくなっちゃったけど大丈夫かな……」

「この前会ったけど、すげー元気そうだったから大丈夫だろ」


話がそちらに逸れそうだったので強引に打ち切る。

それに、元気そうだったのは嘘ではない。




「それで、どうしてループに気づいた?」

「だって何度も何度も横断歩道を渡ることを繰り返してるんだもん。絶対におかしいって思う」


そうか。あの日、有翔は何度も死んで、何度もループしたんだ。流石にデジャブでは済まされないか。


「その後、ドブ掃除した時も戻ったよね。何でこんな風に何にもない瞬間に急にループしたりするのか、分からないけど……」






「……は?」


俺は思わず情けない声を出してしまった。


普通に考えて有翔の死がトリガーじゃないのか……?

でも今日は源氏の死がトリガーだった。ひょっとして、誰か死ぬ度戻るのか?そんな馬鹿な。


いやそんなことは今は良い。それよりも、もっと注目すべきことがあるのだから。








「お前……死んだ記憶は、無いのか?」








「……え?」


暫く沈黙が続いた後、有翔は目を丸くした。




「し、死んだ……って、どういうこと?」


やっぱり……有翔の言葉に違和感があると思ったのだ。

彼女はループには気づいている。しかし、自分が殺されていることに気づいていたら、真っ先にそのことについて触れる筈だろう。


「ぼ、ぼく……死んでるの?」

「いや今ここにいるお前は生きてるよ。だけどさ、お前が死んだ瞬間に時が戻ってるんだ」

「え?え……?」

「今まで、ずっとそうだった。トラックの時だって……本当は跳ねられていたのはお前だったんだ」


トラックに関してはその場を目撃した訳ではないけれど。

でも恐らく有翔はトラックに何度も跳ねられ、その度に何度もループを繰り返していたに違いない。


それにあの日、何度もループしているのは俺とあのホームレスが気づいている。




「……そっか。だから硝子の時……サキはぼくを突き飛ばして助けてくれたんだ。サキはループして、この後ぼくがどうなるか、気づいてたんだね」

「ああ……。とにかく、お前はループには気づいていたが、自分の死の瞬間の記憶は引き継いでいない……そういうことか?」

「そうみたい。死んでたなんて、思いもしなかった……」


まあ、有翔本人に自分の死ぬ記憶が無くて逆に良かったと思う。

あんなの覚えてたら、とてもじゃないけど正気ではいられない気がする。




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