7-2
「有翔、お前……繰り返してること気づいて」
「……サキ」
俺が有翔にその仮説をぶつける前に、彼女が口を挟んできた。
さっきまで大泣きしていた癖に、今は真剣な目でこちらを見つめている。
「何が聞きたいか分かる。ぼくだって今、サキに聞きたいことが出来た。だけど今はダメ。ひかちゃんが見てる」
「あ……」
多分源氏はループには気づいていない。というかここにいる大多数の人間がそんなことは気づいていないだろう。
……だが、有翔は気づいている。
つまり、俺の仮説は当たっていたということか。
「サキ、スマホ持ってる?」
「……いや、持ってない」
「分かった。日付が変わる頃、サキの部屋に行くね」
「えっ……!?」
源氏に聞こえないよう耳打ちされた言葉に、俺は自分の耳を疑った。
「そこで打ち合わせしよ。起きててね」
「いや、でも寮の鍵は22時で閉まるだろ……?」
「大丈夫。抜け道知ってるから」
抜け道って何だよ。というか俺はまだ良いとは言ってないぞ……!
「……何、話してたんですか」
しかし断る前に源氏がこちらにやって来てしまい、口を挟むことが出来なかった。
「ううん、何でもない。さっきは泣いちゃってごめんね。びっくりしたでしょ」
「大丈夫ですか?何処か怪我をしたんじゃ……」
「何ともないよ。いきなりガシャーンって音がして、ぼくどうしたらいいか分かんなくて、泣いちゃった。えへへ」
「そうですか。怪我が無くて何よりです」
「ほら、ひかちゃん!もう帰って大丈夫みたいだし、帰ろっか!サキ、またねー!」
……これはもう有翔から源氏を引き離して話の続きをするのは無理そうだな。
仕方ない。有翔の言う通り、さっさと帰って部屋で待つことにするか。……寝ないように。




