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「姉さんっ!!」
しかし源氏は俺よりも早く反応し、有翔を自らの身体で突き飛ばした。
そしてその直後、落下してきたライトが源氏の頭に直撃する。
「ひ、ひかちゃん……?ひか、ちゃ……」
「……!!見るな、有翔!!」
突き飛ばされて座り込んでいる有翔の目を塞ぐ。
遅かった。多分、直視してしまっただろう。
「いや……いやだ……ひかちゃん……」
「いやああああああーーーっ!!!!」
有翔の叫び声にようやく周りの観客達も異常事態に気づいたようだ。
「いやっ!!」
弟が好奇の目に晒されるのが嫌だったのか有翔は俺の手を振りほどき、源氏の元へと駆け寄る。
「ひかちゃん!起きてよ!ねえ!」
有翔はライトを退かし、必死に源氏を揺さぶるが、あんなの……どう考えたって死んでいる。生きている訳が無い。
……俺は忘れていた。
有翔は常に命を狙われているということを。
そして、有翔が狙われているということは、弟の源氏だって危険だということを。
「……何も考えてなかった。くそっ……!」
目の前で起きたことが受け入れられないのか、頭が痛い。ぐらぐらする。立っていられない。
……ああ。気を失っている場合じゃないのに。
有翔の方が、ずっとずっと辛い筈なのに。
俺がこんなでどうするんだよ……。
俺は意識を失うまいと必死で立っていたが、それも限界で。
結局、俺はそのまま倒れてしまった。
気絶する直前、泣きそうな顔で俺に駆け寄る有翔が、見えた……。
第七話に続く……




