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「しかしお前ら、本当に仲良い姉弟だよな。普通中学生男子なんて姉を避けたがるもんだと思ってたが」
「えへへ、ひかちゃんってほんと良い子なんだよ。羨ましいでしょ」
「姉さん……!ああもう最高です!愛してます!」
「いやあ……よく恥ずかしげもなく姉に好きだって言えるよな……」
俺の言葉に源氏は食ってかかってくるかと思ったが、奴の反応は案外冷静だった。
「……大切な人が無条件でいつまでも側に居てくれるなんて、限りませんから」
……いや、冷静どころか何処か達観しているような……そんな風に見える。
「どうした、急に」
「伝えなくても分かると思って何も言わないでいて、気がついたら相手に永遠に伝えられなくなった……なんて、絶対に嫌ですから。だから俺は好きだと思ったらちゃんと言葉にするようにしてます。決して後悔しないように」
何だその言い草。まるで過去に大切な人でも失ったみたいじゃないか。
「今度は絶対に後悔しない。だから俺は……」
源氏の言葉は、最後まで聞くことが出来なかった。
ガタンッ
……何か、変な音がしているなと思っていた。
しかしここはライブハウスだしそういうものだろうと、違和感を見ないふりを、気付かないふりをした。
今日だけは大丈夫だろうとタカをくくっていた。
……そんな訳無かったのに。
有翔はいつだって、命を狙われているというのに。
「……有翔っ!!」
気づいた時にはもう遅かった。
頭上から、ライトが、有翔を目掛けて─────……




