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ヨロズブ  作者: 有氏ゆず
第六話 デートに弟がついてきたんだが
42/251

6-3





……次の日。


俺は、緊張しているのだろうか。それとも浮かれているのだろうか。

昨夜は、あまり眠れなかった。


だけど不思議と身体は軽いように感じる。




「……初めてだからな。デート、なんて」


いや、楪は男だから正確にはデートじゃない……のか?でも、楪はデートだと言っていたし、アイツは女みたいな外見だし。


まあ俺には記憶が無くて、本当に初めてのデートかどうかは謎だ。

記憶を失う前の俺が無類の女好きで、デートどころかそれ以上にも進んでいたとしたら……それは嫌だな。




楪に指定された待ち合わせ場所に到着する。

まだ、楪は居ないようだ。


時間にはまだ少し早い。足取りが軽かったせいで、思ったよりも早くついてしまったようだ。


「……まあ、有翔を待たせるより良いか……」






──────有翔。


ふいに口から出た楪の名前。


何故呼んだ?別に俺はアイツとそれほど仲が良い訳ではないのに……。






「……っ!?」


しかし、俺の思考はそこでストップした。

いや、強制的にストップさせられたと言った方が良いだろうか。


「……来てやりましたよ、有難く思え」

「お前……」


その理由は、このシスコン野郎……源氏に思い切り背中に蹴りを入れられたからである。


「お前とは待ち合わせしたつもりはないんだが」


やられっぱなしではいられないと、言い返す。

その態度が気に食わないと言わんばかりに源氏は俺を睨みつけた。……クソガキめ。




「ひかちゃん!!」


しかし源氏(クソガキ)の威勢も、愛する姉が登場したことにより、みるみる萎んでしまった。


「……!ね、姉さん、違います。これは……!」

「サキに酷いことしないって約束で連れて来てあげたのに!守れないなら帰ってもらうからね!」

「だ、ダメです!絶対ダメです!2人きりなんて……!」

「だったらもうサキに手は出さないこと!いい!?」

「出したのは足なのでセーフです!」

「足もダメ!分かった!?」

「はい……」




……つまり、楪とのデートに弟がついてくるということらしい。


「……何だ、2人きりじゃないのか」


俺は源氏を煽る為、わざと口に出してみせた。

案の定、あのクソガキは乗ってくる。


「やはり!破廉恥なことを考えていたんだなこのクソメガネ!姉さんは俺が守ります!」

「は、はわわ……サキはぼくとふたりっきりが良かったんだぁ……」


源氏だけを煽るつもりが、何故か楪にもクリーンヒットしてしまったらしい。

何だよその反応。……少し、可愛い。




「……!今、今!姉さんを見てにやけましたね!?ダメです!やっぱりこの男はいけません!」

「ねえひかちゃん。やっぱりサキと2人がいいなあ」

「!?!?!?ね、姉さん!?!?」




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