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「我が名は氷室影羅!貴様らは我と契約を交わすことを許可しようぞ!」
この変な奴は誰かと言うと、この前会長が言っていた新しい部員だ。
綺麗な銀髪にゴシック風に改造された制服。
コイツが会長に連れられて部室に入ってきた瞬間、その外見だけで目を奪われたのだが。
「我は闇より召喚ばれし者。さあ、恐れおののくが良い!」
……口を開いたと思ったらこの発言。しかもご丁寧に右目には眼帯。
絵に描いたような厨二病だ。
「ふむ。とてもユーモアのある自己紹介だったね。彼は山田普くん。皆、仲良くするんだよ?」
「山田ではなァい!!!!」
氷室……もとい山田が声を張り上げて否定する。
「でも名簿には山田普で名前が載ってるけど」
呆れた様子で直樹が名簿を広げる。いつの間に部員名簿なんか作ってたんだ。
「ククク……凡人はこれだから困るのだよ。山田普は世を忍ぶ仮の姿……。本当の我は闇より召喚ばれし」
「あっ、それさっき聞いた」
「ええい!まだ途中なのだよ!最後までちゃんと聞くが良い!我の正体は闇より召喚ばれし者、魔族なのだよ!山田はこの世界で生きる為の姿に過ぎぬわ!」
「ふーん。魔族ってこと隠してたんだ。でもそれってさ、バレちゃいけないんじゃないの?」
直樹の突っ込みに、しーん……という効果音が似合うような沈黙が広がる。
「……てな訳で山田先輩。厨二やるなら設定はちゃんと作り込んだ方がいいと思うよ」
「や、山田ではないッ!!」
……嗚呼。また面倒な奴が入ってきたな、と思った。




