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ヨロズブ  作者: 有氏ゆず
第五話 最悪なる殺人鬼(無実)なんだが
37/251

5-5





「……さて、そろそろ上がるか」

「……おう」


何となく鮫島と打ち解けた気がする。


「あ?何だよジロジロ見て」

「いや別に。人を見た目で判断するのは良くないって思っ……!?」




……いや、前言撤回だ。やはり、コイツはヤバい奴かもしれない。


だって、普通の人間は身体中に煙草の火傷の痕とか、背中にナイフで切りつけられたような大きな傷跡とか、無いだろ。

先程までは風呂に浸かっていて気づかなかったが……。


「どうした、古」

「……いや、何でもない。さっさと着替えよう。寒い」

「……?おう」


なるべく傷から目を逸らすようにして、着替えを済ませる。

あれは、絶対に触れちゃいけないやつだ。




「おい、古。大丈夫かよ」

「……!」


俺はいつの間にか着替え終わっていて、いつの間にか外に出ていたらしい。


「さっきからぼーっとしてたみたいだけどよ。マジで大丈夫なのか?」

「あ、ああ……のぼせたのかもな」

「おいおい……送ってやりてーとこだが、そろそろ帰ってガキ共の食事の準備しねえと。一人で帰れそうか?」

「……大丈夫だ。一人で、帰れる」

「悪ィな、先帰るぜ。ちゃんと家で休めよな」




そう言って立ち去っていく鮫島の背中を、俺はぼーっと見つめていた。


……本当に、コイツは悪い奴なのか?

傷だって何か理由があってこうなったんじゃないのか?


いや、何か理由があったからって、あんな痛々しい傷がつくかよ。しかもあんな大量に。

理由があったとしたら、きっとろくでもない理由に決まってる。


だけどそれにしてはアイツは優し過ぎる……。












「……なァに辛気臭い顔してンだ、お前さん」


突然、空から声が降って来た。

顔を上げるとそこには……


「お前……何て所に座ってるんだ……」

「よォ、久しぶりだなァ」


銭湯の突き出し看板の上に座ってニヤニヤと笑う、あのホームレスの男がいた。




……というか、会ったのは昨日ぶりだろ……というツッコミは、敢えてしないでおく。




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