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ヨロズブ  作者: 有氏ゆず
第四話 生意気な後輩が出来たんだが
31/251

4-7





ドブ掃除をしている彼女の後ろ姿に、私はゆっくりと歩み寄る。


「あ!どうしたの?自分のとこ、終わった?」


気づかれないように気配を消して、足音も立てなかったつもりだった。

だが彼女は……有翔は私の存在に気づいたらしく、笑顔で振り返った。




その笑顔が、とても愛しかった。




「手伝いに来てくれたの?優しいね」


私の本当の気持ちになど気づきもせず、有翔は私に話しかける。


「どーしたの、黙っちゃって。あ、分かった!疲れちゃったんでしょぉ」


揶揄うように悪戯っぽく笑いかける有翔。







……ああ、愛しいなあ。













































































───────憎タラシイナア。









「……きゃっ!」


悪意を込めて、私は有翔をドブへと突き飛ばす。

不意をつかれた有翔は、そのままドブへと落下してしまった。


「ち、ちょっとー!何するのー!?」


有翔は少し怒ったような反応を見せるが、彼女はまだ、私が悪戯で突き落としたのだと思っているのだろう。


「もうっ、悪戯にしてはちょっと酷いよ。お風呂入らなきゃ臭いついちゃう……」






私はドブから上がろうとした有翔の頭を、思い切り踏みつけた。






「!?〜っ!!ーーーーーっ!!!」


有翔が上がって来られないよう、何度も何度も踏みつけた。


「お前なんか、有翔じゃない」







死ね!死ね死ね死ね死ね死ね死ね!!


私が欲しいのは、お前じゃない……!!







有翔が抵抗する度、踏みつけた。何度も何度も。


踏みつけられた彼女は最初は力強く抵抗していたものの、そのうちその力は弱まっていき……完全に動かなくなった。


このドブの中で死んだふりをするなんて不可能だろう。

だけど念には念を入れ、更に踏みつける。確実に殺す為に。何度も何度も何度も何度も何度もなんどもなんどもナンドモ。






何分くらいそうしていただろうか。

私はようやく彼女の頭であろう部分から足を退け、ドブから上がって座り込んだ。


これまで、何度彼女を殺そうとして、何度失敗したことか。

何者かに邪魔されているのかと思ってしまう程、何度も失敗した。


だけど、ようやく。




「やった……。これでやっと、本物に……」


達成感からだろうか。人を殺した恐怖からだろうか。身体が重い。


頭も痛い。目の前が、チカチカして、回るような感覚がする。








ああ。気持ち悪い──────……





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