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「遅くなってサーセン!日誌が酷すぎるってダメ出し食らって書き直ししてました〜!」
全員が自己紹介を終えた後、ちょうど日直の仕事を終えた犬飼が部室に飛び込んできた。
遅すぎると思ったら日誌を書き直していたのか……。いや、割と適当でも書き直しは無いって聞いてたんだが、アイツはどんな日誌を提出したんだ……?
「あっ!将吾ちゃんじゃん!」
「げっ、零士先輩……」
「なになに!?まさか将吾ちゃんも部員なのか!?」
「僕は無理矢理入部させられただけだし……!」
部室に入るや否や直樹に絡み出す犬飼。
知り合いなのか、この2人。まあ別にどういう繋がりとか、全くもって興味が無いから触れようとも思わないが。
「えー?でも、何でも出来る部活なんだろ?楽しそうじゃん!」
「うわ、零士先輩も騙されてんじゃん。まさかここにいる人、会長にそう言われて入部したの?」
そういえば直樹は先程も「そんな都合のいい話がある訳がない」と言っていた。
確かに何でも出来る部活なんて、普通教師が許可を出さないだろうし、本当にそうなら今頃入部希望者で溢れ返っていてもおかしくない筈。
わざわざ俺みたいな転校生にまで声をかけざるを得ないということは……何か裏があるということらしい。
「……神凪先輩は気づいたみたいだね、裏があるって」
「ふえ?どういうこと?」
まだ分かっていない楪と犬飼は2人して首を傾げる。
そんな2人を見て、直樹は呆れたようにため息をついた。
「何でも出来るなんて、物は言いようだよ」
そして、こう続けた。
「なんでも出来るんじゃなくて、なんでもやらされる部活なんだよ、ここ」
……暫しの無言。
ああやっぱりそういうことだよな。よろず部ってのが《万事屋》から取っているのだとしたら、なんでも屋ということで。
「つまり、ボランティア部みたいな感じなんですかね」
源氏が口を挟む。……ああ、ここにいるメンバー(主に楪と犬飼)のテンションが下がらないように敢えて口に出さなかったというのに。
「そうとも言うね!」
「えー……ボランティアかよ……」
「本当に零士先輩気づいてなかったの?」
「何でこんなくだらない部活に俺と姉さんが巻き込まれなきゃいけないんだ……」
会長の言葉に一気にメンバーのテンションが下がる。
詐欺に引っ掛かったようなものだから仕方ないと思う。……それに、最初から正しく説明していたら誰も入部なんてしてくれなかっただろうしな。
「でもぼくはすっごく楽しそうだと思うな!」
「そうですね、姉さん。俺もそう思います」
そんな中でも楪は一人だけ本当に楽しそうにしていた。とんでもないプラス思考だ。
そして源氏、お前さっきくだらなそうって言ってただろ。二重人格かよ。




