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「さあ皆!今日から本格的に部活の始まりだよ!……って言いたいところなんだけれど新メンバーが入りまーす!」
一人で拍手する会長。いや、楪もか。
反対に俺と源氏は白けている。
ちなみに犬飼は日直だったので遅れるらしい。
「新メンバーって……そもそもよろず部自体が何をする部活か知らないんですが」
「ふっふっふ、サキ!何でも出来る部活って、ハルくんが言ってたでしょお?」
楪がチッチッチッと指を振って得意気に答える。……何か鬱陶しいな。
「……はあ。そんな都合のいい話がある訳無いじゃん。ばっかじゃないの?」
静かだが、よく通る声が部室に響いた。
声のした方を振り向くと、部室の扉の所に赤髪の少年が立っている。
「あ、来てくれたんだね。直樹くん」
「行かなきゃアンタに何されるか分かんないし」
「はっはっは。大切な後輩に何かする訳ないじゃないか!」
「アンタに脅されて僕は生徒会に入ったんだけど。そうじゃなきゃ誰がこんな面倒な仕事……」
会話から察するに会長の後輩で、生徒会役員なのだろうか。
そして何か弱みを握られている、と。
「……ちょっと。アンタ失礼なこと考えただろ」
「いや、別に?」
俺は何も声を出していない筈なのだが、やはりこの学校は心が読めるのがデフォルトなのだろうか。
「まあまあ!とにかく自己紹介しようよ!」
楪が空気を変えようとパンパンと手を叩く。
「そうだね。ならまず私から……」
「いや、アンタのことはここにいる皆が知ってるから」
「うう……直樹くんが冷たい……」
赤髪がピシャリと言い放つ。
そして会長は分かりやすくしょんぼりとした。
「はいはい。もう名乗っていい?僕は1年B組の直樹将吾。生徒会の書記やってる」
……ってこの赤髪は後輩だったのか。
何だコイツ。先輩にも思い切りタメ口じゃないか。生意気な奴め。
いや、同じくらい生意気な後輩がここにもいたか……。
俺は源氏に視線を向ける。
「何ですかいきなりジロジロ見て……気持ち悪いなクソメガネ」
……嗚呼。どうやらクソガキ度はこっちの方が上らしいな。




