4-1
「うーん、まさかこんなことになるとはねえ」
あれから何があったかと言うと、救急車を呼ぼうとした俺を制止して、楪が会長を呼んだ。
そして俺とホームレスの男と楪姉弟は現在会長の家に居る訳だが……。
「何かその、家……でかくないか?」
「俺も初めて来ましたけど、姉さんは知ってたんですか?」
「うん!ハルくんの家はお金持ちなんだよ!」
いや、お金持ちってレベルでは済まされないくらいの規模なんだが。そこは触れないでおくか……。
「それよりも会長。そいつ、助かるんですか」
「うん。傷は酷く見えるけど驚異の回復力だね。暫く安静にしておけば大丈夫そうだよ」
……トラックに跳ねられたというのに、安静にしているだけで大丈夫なのか。どんな回復力なんだ。化け物か。
「良かった……」
それを聞いて誰よりも安心そうな反応をしたのは楪だった。
まあ、一応コイツは楪を庇ってこうなったのだ。もし死なれてしまったら楪も罪悪感でどうにかなってしまっただろう。
ちなみに男は(何故間に合ったのかは分からないが)トラックに轢かれそうになっていた楪を道路の向こう側にいた源氏の方へと突き飛ばして身代わりになったようだ。
「……源氏くんは大泣きしてたね?」
「なっ……!」
ふいに会長に話を振られ、赤面する源氏。そういやコイツ泣いてたな。
「し、仕方ないでしょう!姉さんを失ったら俺は、どうにかなってしまう……!」
「あう。心配かけてごめんね、ひかちゃん」
「本当に大丈夫ですか?怪我とかしてませんか?」
「大丈夫だよお。むしろこの人に突き飛ばされたぼくを受け止めたひかちゃんこそ怪我してない?」
「そ、そこまで脆くありません!……いたた」
おいおい、本当に大丈夫かよ……。思いっきり腹に直撃したんじゃないのか。
「大丈夫か?お前、ヒョロそうだからな」
「う、うるさい!クソメガネは黙ってろ!」
……何だこのクソガキ。せっかく心配してやったっていうのに。




