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ヨロズブ  作者: 有氏ゆず
第三話 いきなり部長に任命されたんだが
22/251

3-8





「……悪い、急用が出来た」

「おう、そうかァ。まあ、白い女……暇な時にでも探しといてくれ」


男のその言葉を最後に、俺はその場から急いで立ち去る。


確か楪はもう家に帰ると言っていた。弟も一緒の筈だ。




「……!いや、アイツの家とか……知らないだろ……」


冷静になって足を止める。俺は楪の家を知らない。

なら何処に向かって走れば良いというのか。そもそも俺はどうして楪に対してここまで必死になっているのか。


それは会長に頼まれたからだが、別に強制されている訳ではないし、聞く義理も無い。


第一、出会ったばかりの女(男?)だ。

そんなやつの為に、俺が動く必要なんて……












「……身体が勝手に動いてンだ。大事なんだろ、その嬢ちゃんのこと」












不意に右側から聞こえた声に振り向くと、そこには先程別れた筈のホームレスの男がいた。……着いてきてたのか!?


「な、何でここに……というか、何で楪のことを知って」

「あァ。お前さん、思いっきり口に出てたからなァ」


……どうやら先程の俺の思考は全て口に出ていたらしい。何か、恥ずかしい。


「何があったか詳しくは知らねェが……助けたい女が居るんだな?」

「……ああ、でも場所が分からなくて……きっともう時間も無い……」








その時、再度《時空がズレる》感覚がする。


「……!ここ、は……」

「……ズレたか」


俺は男と出会って話をした、学校前に戻されていた。


「クソ……!早く助けてやらないと、アイツは何度も殺されて……!!」

「慌てるなァ。幸い俺とお前は時空がズレても記憶を引き継いでいられる。お前、学校に戻ってさっさと嬢ちゃんの住所聞いて来なァ。そんで次のズレで……助けに行きゃァ良い」




……そうか。

たまたまループ地点が学校前だったお陰でそれが出来る。


「……分かった。行ってくる!」

「急げェ。またすぐズレが来る」


楪のことを知っていそうなのは……会長か。まだ学校に残っていれば良いのだが……。


俺はその望みにかけて、生徒会室へと急いだ。





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