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「ようこそ!私の生徒会室へ!」
……ようこそ、って言われても。俺達以外に誰も居ないんだが。
「そもそもアンタの生徒会室じゃないような」
「いやいや!ここは私の城のようなものさ!」
言いながら会長は、明らかに偉い人が座るようなふかふかの椅子に腰を下ろす。
「さあ、神凪くん!私に聞きたいことがあるんじゃないのかい?勿論、前のループを覚えていたら……だけどね」
───────ループ。
その言葉を聞いて、やはり俺は時を繰り返していたのかと再度確信する。
しかもそれは俺だけじゃない。この人も認識しているということだ。
ということはこの世界は、皆がループを当たり前のように認識している世界なのだろうか……?
「何か難しいことを一人で考えていそうな顔だね!とりあえず、キミが一番聞きたそうなことを教えてあげようかな!」
会長はパチンと指を鳴らし、俺の疑問に答えてくれた。
「この世界はどうやら有翔が死ぬと世界が巻き戻る。そしてそのループに気づいているのは、私だけだったんだ」
「どうやら……って。アンタも詳しいことは分からないんですか」
「そうだね。でも私以外にループに気づいている人間は居なかった。そこで現れたのがキミって訳さ!」
会長以外に唯一ループに気づいているのが、俺だということか……。
「時が巻き戻るトリガーは、楪の死で間違いないんですか」
「そうだね。今までそれ以外で巻き戻ったことは一度も無い筈だよ」
そうだとすれば、このループは楪が死から逃れる為に起こしているものなのだろうか。
いや、それにしては楪の反応は何も知らないように見える。ついさっき、自分が死んだならばあそこまで取り乱さずに居られるだろうか。
「……ならこのループ現象は、楪を救いたい誰かが意図的に起こしている……?」
「私もそう思うよ。誰が起こしているのかは分からないけれど、少なくとも有翔を死なせたくない一心で動いていることは間違いないだろうね。始めはキミが原因かと思っていたのだけれど」
そんな訳は無い。俺は楪と出会ったばかりで、そこまで彼女に対して大きな感情を抱いている訳では無い。
ただ、目の前で死ぬと分かっている奴がいて、そいつを放っておけるような人間でも無いというだけの話だ。
「……で、ここからが本題なんだけどね」
成程。今までのは全て、この話に続ける為の前置きだったらしい。
「有翔を助けたいんだ、私は」
「助けるって……ループを続けて何度も助けるってことですか」
「そういうことじゃないよ。私はね、根元から断ちたいんだ」
「……えっと、どういうことですか」
「ループを起こしているのは有翔を救いたい誰かなのだろう。でもそれにも関わらず有翔は必ず死ぬ。つまりそれは……」
「有翔をどうしても殺したい人物が存在するということさ」




