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「じゃあ詳しい説明は明日にするから、今日はもう解散にしようか!私も生徒会の仕事があるからね!」
「ハルくん、頑張ってね!サキ、一緒にかえろ」
「姉さんは俺と帰ります。お疲れ様でしたクソメガネ」
楪の言葉を遮り、源氏は楪の手を無理矢理引いて俺の前から去ろうとする。
「ちょっと待って!ぼく教室に荷物とか置いてきてるんだから取りに帰らないとダメなの!それまでサキと一緒に待ってて!」
「……チッ」
あからさまな舌打ち。はいはいもう俺はこいつに嫌われてることは分かってますよ。
というか、とんでもないシスコンだなこいつは。楪の苦労が安易に想像出来る。
「おいクソメガネ。何か失礼なこと考えただろ」
「そもそもお前が失礼だろ。俺は先輩なんだが?敬語くらい使え」
「……チッ。お前に敬う要素なんて何一つないんですけどね」
ああ物凄く面倒くさい弟だな。これと二人きりなんて数秒足りとも御免だ。
楪、早く帰って来い。そしてこいつを何とかしろ。
「お待たせー!二人とも!」
楪が手を振ってこちらに走って来る。
「姉さん!ゆっくりで良いですから……!」
「転んでも知らないからな」
「はぁ!?姉さんは転びませんから!このクソメガネ!!」
いや、転ぶだろ。人間なんだから。
お前は楪をどんな超人だと思っているんだ。
「こら、ひかちゃん!サキに失礼なこと言っちゃ……!」
「きゃあああああああ!!危ない!!」
上の方から何かが割れるような音が聞こえたと思ったら、無数の硝子が楪に向かって降り注いで来て─────
「……姉さん!!姉さんっ!!」
源氏が半狂乱になって叫ぶ。
……おい、冗談だろ。
冗談だって言ってくれよ。
だって、こんな。
そんな大きい硝子が、身体を貫いたら……
─────楪は、硝子に串刺しにされて、死んだ。




