2-5
「そうだ!どうせなら有翔もよろず部に入部しないかい?」
「ぼくも良いの!?」
「勿論だとも。寧ろキミにこそ入って貰いたい────」
「ダメです、絶対に許しません」
会長が楪の勧誘をしているところに楪弟が割り込む。
「ふむ。何故駄目なのか理由を説明して貰いたいね」
「姉さんはモテます。これでもかってくらいモテます。こんなクソメガネとチャラそうな男と訳の分からない会長のいる部活なんかに入部させられません。姉さんが何をされるか分からない」
「私と有翔の仲の良さは、弟であるキミなら良く分かっていると思っていたけれどね」
「知りませんよ、そんなの。姉さん以外には興味がありませんので」
二人の間にしっかりと火花が見える。これはもうバチバチやってる。クソメガネって俺のことかよ。
そんなことはどうでもいい。早速だが俺は退部したい。非常に面倒くさい。
「でもキミに有翔の行動を制限する権利は無いと思うけどね、中等部1年A組の楪光源氏くん」
……??
今、物凄く古風な名前が聞こえたような。
いや、まさかな。この現代にそんな名前の人間がいる筈が……。
「……何故俺の名前を」
「何故ってそりゃあ、生徒会長だからね。生徒の名前くらい把握していて当然だとも!」
生徒会長でなくても一度聞いたら忘れないインパクトの名前だったように思えるが。
「でも光源氏くんはお姉さんの行動を制限したいんだもんね!まだまだ中学生だもんね!光源氏くんは!」
会長はノリノリで光源氏を煽り出す。
というか、アイツ中学生だったのかよ。あんなでかい中学生がいてたまるか。
「あーあ、光源氏くんが我儘言うんじゃ仕方ないかな!何だって光源氏くんだからね!」
「分かりましたよ!だったら俺も入部します!」
……おお。流石に光源氏もぶちギレた。
「本当かい!?光源氏く」
「源氏!!それ以外の呼び名は許しませんから!!」
光源氏……もとい源氏はいつの間に書いたのか入部届けを会長の顔面に叩きつける。
これは相当怒っているな。まあ、俺も自分の名前を弄られたら笑ってはいられないだろうが。
「まあよろしく、光源氏」
同じ部活の先輩として声を掛けたらスルーされた。せっかく挨拶してやったのに。最近の中学生は礼儀がなってないな。
「もう、ひかちゃん!ダメでしょ!」
「だって姉さん……」
その後楪に怒られているのを見て、鼻で笑う。
源氏はこちらを睨みつけてきたが、それをまた楪に叱られていた。ざまあみろ。




