109/251
14-4
……ガクン!
「源氏!?」
「ひかちゃん!?」
喜びもつかの間、突然ひかちゃんがその場に膝をつく。
「や、やっぱりひかちゃんに3曲は無理だったのかな……!体力的に……!」
言いながらステージへと駆け寄る。結構高いステージだったけど、ぼくは軽くそれに飛び乗り、膝をついたひかちゃんを支える。
「ひかちゃん、よく頑張ったね……!」
「姉さん……俺は満足しました……とても」
ひかちゃんはぼくの肩を借り、立ち上がる。
「俺の出番は、終わりですね」
「うん、うん……。でもまた立てるよ。ひかちゃん、凄かったもん!」
「……それは、良かったです」
そしてそのまま……ぼくを抱きしめた。
「え……!?ひかちゃ……」
「姉さん……寂しかったです。離れてる間、凄く」
「うん……ぼくもすっごく寂しかった……」
「……だから、俺の元に帰ってきてくれますか」
「……え?」
……違うでしょ。
ぼくの家に帰ってくるのは、ひかちゃんの方──────────
……そんなことを考える暇もなく、大きな音が聞こえてきたかと思うと、ぼくや、周りのみんなの身体が、崩れてきた天井に潰されて……。
「……姉さんは、俺が……守る……。お前、なんかに……」
最期に感じたのはひかちゃんの声と、ぼくを守るように覆い被さるひかちゃんの身体の温もりだった……。




