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……土曜日。本来なら家でゴロゴロしているだけの休日だが、今日はそうはいかなかった。
この前会長に言われた通り、今日は部活の日なのだ。しかも出来れば全員参加して欲しいとのこと。
自由参加とはいえ、あの人が言うとほぼ強制参加みたいなものだ。実際、今日はほぼ全員来ている。……たった一人を除いて。
「やあ、皆!よく来てくれたね!」
「強制参加みたいなもんだったんで」
「別に強制とは言っていないさ。全員に見て欲しかっただけで」
連れてこられたのは前に来たことがあるライブハウスだった。
あの時は色々あったっけ。有翔はトラウマになっていないだろうか。
というか、ライブハウスで何をすると言うんだ。裏方の仕事でも依頼されたのだろうか。
「……そういえば、源氏は?」
《たった一人》来ていない部員が源氏なのだ。
自由参加と言われてはいたが、これで参加しない選択を出来る源氏は鋼のメンタルだな。あの鮫島ですら参加しているというのに。
「源氏くんは……遅れて参加することになっているんだ」
……遅れる?源氏は今会長の家で世話になっているはずだ。遅刻なんてする訳が無いだろう。会長が一緒に連れて来ればいい話だ。
「ふーん……ちなみに今日は何をするんですか。スタッフの補助とかですか」
源氏について気になったが、鮫島が口を挟む。部員達もウンウンと頷く。どうやらコイツらも何も聞かされていないらしい。
裏方の仕事だったら尚更、早いこと動き方を聞いておかなければいけないのではないか。こんなギリギリに聞かされて大丈夫なのだろうか。会長ならそういう無茶振りもやりそうなのが恐ろしい。
「ああ。今日は仕事じゃないよ。ただ皆でライブを観に来ただけだからね」
「「「……え?」」」
思わぬ返事に全員の声が重なる。ライブを観るだけ?……誰の?
会長は部員を遊びに誘ってくれたということなのだろうか。ということは、今から始まるライブは会長の贔屓にしているアイドル……とかか?
どっちにしろ職権乱用な気もする。遊びなら普通に誘えばいいものを、部活と称して強制的に全員集めて……。
まあ、チケット代やドリンク代……それと交通費等全て会長負担なので文句は言えないか……。




