13-7
「……へえ。じゃあ2人はハルにパシられて買い物に?」
パシリ……言い方は悪いがまあそうだろう。
最近、部活だと言い張って権限を悪用しているように思える。……というか、そもそも部長は俺なんだが。
「ふふ。ハルは相変わらずなんですね」
「家でもこんな感じなんですか、会長は」
「そうですね。どんな手を使っても欲しいものを手に入れようとする、欲の深い子でしたよ」
……何故だろう。顔はニコニコと笑っているが、言葉にトゲがあるように感じる。ひょっとしたら、あまり仲の良い兄弟では無いのかもしれない。
「……失礼ですが、会長との仲はあまり……?」
おい山田。そこ切り込むのかよ。俺だって敢えて黙っていたというのに。
「え?そんなことないですよ?私とハルはとっても仲良しさんです」
「いや、しかし……」
おいおい……何でそこ食い下がろうとするんだよ。触れるなってことだろう。
俺は目線で山田に合図を送ったがアイツは気づいていないようだ。
「……あの、アキさ」
「わぁ!とっても可愛いロケットペンダントですね!」
「……!?いつの間に……!」
いつの間に手に入れたのかアキさんの手にはロケットペンダントが握られていた。というか、アレは以前山田の家で見せて貰ったやつじゃないか。持って来ていたのか。
どうやって盗ったのかは分からないが、山田はアキさんの地雷に踏み込みすぎてしまい、少しお灸を据えられてしまったようだ。……だから触れるなって合図したのに。
山田もそれが分かっているのか、「返して」とは言いにくいらしい。
そしてアキさんはペンダントを開いて中の写真を確認した。
「これ、小さい頃の影羅さんですか?可愛いですね♪」
「う、うむ……!それはまだ人間界に来て日の浅い頃の我で……ああああああっ!」
何なんだ急に叫び出したりして。流石のアキさんもびっくりした様子で山田を見ている。
「思い出した!我の女神……!アキさんは彼女に似ているのだよ!」
「え?え?待ってください。あの、私がミューズさんに似ているんですか?そもそもミューズさんってどなたなんです?」
「こ、この写真の……!」
山田は興奮した様子でアキさんにペンダントの写真を見せつける。
そういえば、山田は写真の女性をミューズだとか言っていたな。どうでも良さそうな情報なので忘れていた。
俺も覗き込むように再度写真を確認する。……確かに写真の女性は何処かアキさんに雰囲気が似ているような気がしないでもない……か?
「……ああ!この方、私のおばあちゃまですね!」
「「はぁぁぁぁ!!!?」」
そしてアキさんの口から飛び出した爆弾発言に、俺と山田は声を合わせて叫んだのであった。




