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分岐点

──────────────────────


【魔童 神樹】


年齢:25


種族:(設定可能)


性別:男


職業:魔王(チュートリアル中)


指標:0


支配地域:160m(半径)


Dポイント:10000P


カタログ


管理


魔王ネットワーク


──────────────────────


 とりあえず、年齢と性別はそのままに設定し直しておいた。年齢は一つ若返るごとに100、年をとるごとに50のDポイント (以外DP)を消費していたので特にイジらず、性別の変更は無性は0だったが、女性が1000、両性が2000、となっていた。


 竿なしも両性、はたまた女になるのは嫌なのでこのままにしておこう。


 次に種族だが……


「おい、羽虫。この種族の変更って何だ。見た目でも変わったりするのか?」


 フヨフヨと顔の周りを飛び回る目障りで耳障りな羽虫を払う。


「名無しも大概ですが、ついに羽虫ですか……まぁ、好きに呼んで構いませんけどね。さて、種族の変更は、この世界で一度は繁栄したことのある生命体へ魂の器を変えることですね。例えばエルフだと生命エネルギー、この際わかりやすく魔力と呼んでみましょうか? エルフ等の種族になれば魔力の扱いに長けていたり、巨人なら身体が大きくなり力に長けていたり、勿論、魔物に当てはまる種族、例えばヴァンパイアの種族にもなれたりします。因みにヴァンパイアだと夜になると強くなり、昼なら弱いなんてことになりまね」


 神話に出るような種族にもなれるのか……種族の欄にはラノベなどでおなじみのエルダー系やハイ系まで揃ってるが、エルダー系は10,000〜・ハイ系は5,000〜とかなり高く設定されている。これでは所持しているポイントの大半を失ってしまうし、この流れから来てカタログもポイントを使いそうだし……よし。


「決めた。種族もこのままで決まりだ」


「ほへ、良いんですか? 素の身体能力は他の種族より格段に劣りますし、これからのことを考えるのなら、何か1つや2つ特化した種族になるべきでは?」


 ナナシの言うことは最もだ。だが……


「見た目も変わると人の中に紛れ込めないだろ。少なくとも、外に出たとき敵対される可能性は少ないし、他の魔王共が種族を変えているなら、魔王は他種族の姿なんて、その情報だけが先行して人間の俺が魔王だとバレる可能性も低くなる。俺はまだ死にたくないからな、木を隠すなら森の中、人を隠すなら人の中ってな。勿論いつかはバレるだろうが、その間に戦力や準備も整えられる。なにより、人のコミュニティーに潜り込んで情報を取れるのが魅力的だ」


 魔王だからって閉じこもってるだけじゃ外の情報は入ってこないし、かと言って明らかに種族が違えば警戒もされるだろう。やっぱり、同族意識というのもは強いと考えられる。


──────────────────────


【魔童 神樹】


年齢:25


種族:人間


性別:男


職業:魔王(チュートリアル中)


指標:0


支配地域:160m(半径)


Dポイント:10000P


カタログ


管理


魔王ネットワーク


──────────────────────


 よし、DPの変動は無しっと。


「ん?」


 設定も終わり、次にカタログを開こうとしたが、いくら触れても、画面が変わる気配がない。


 取り敢えず、事情を知ってそうなナナシに声をかけようとしたその時だった。


「──の終了を確認。これより、職業:魔王の解除を神域へ申請。承認されました。以降、個体名:【魔童 神樹】の魔王としての能力が行使可能となります。職業:【魔王】解除に伴い、神域へ贈り物:【指標】を職業:【魔王】へと統合を提案。承認されました。統合を確認。贈り物:【指標】が職業:【魔王】へと統合。統合に伴い職業:【魔王】の権限の拡張を確認。続いて、個体名:【魔童 神樹】の器の更新を開始」


「っ!? おい! ちょっとま────」


 ナナシをつかむ為、伸ばした手は届かず、体が突然動きを止め、指一本動かせない。心臓が痛み、声を出そうにも肺は空気を吐き出さず、喉は動かない。突然身体の機能が全て止まってしまったかのように。ドサリと床に倒れこむ。血液が循環をやめ、爪先からゆっくりと冷たくなる感覚。


 体の中で何か、内蔵など物理的物ではなく更に奥底、そのナニかが弄くり回される。痛みはない。ただし途方もない不快感、苦しみが襲う。


 そして、俺は意識を失った。

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