魔王とは?
そんなわけで、お久しぶりです。
ようやく仕事関係やなんやらが落ち着いてきたので取り敢えず執筆の方をぼちぼち再開していきたいと思ってます。
また、他の2作品や消した作品などは取り敢えず戦隊以外はリメイクして書き直そうかなと。
まぁ……しばらくは定期的にこっちに集中して行こうかと思います。
「世界のエネルギーへ吸収されるのを弾くシステム自体は動いているので問題ないのですが、近々神代の頃と同じくこの世界にも魔物が湧き始めますね」
なんてことのないように、ナナシはコップに残ったジュースを飲み干す。
「……それは、大丈夫なのか?」
何がだろう。言葉に出しては見たものの、何が大丈夫なのだろうか。
「あれだろ? 魔物って言ったって、野生動物みたいなものだろ?」
言葉にして、それが希望的観測でしかないように思える。
「おぉ、言い得て妙ですね! そうですね、あり方としては野生動物と大差はないですね、動物と違ってアレらは魔物以外のすべての生命の敵ですが。まぁ、新たな食物連鎖の一員として暫くすれば落ち着く態度の存在ですよ」
先ほど説明された神話や伝承に存在する魔物。それは、伝説上の生物も含まれるだろう。
そうでないとしても、文明が徴収され碌な連絡手段や対抗手段も少ないと予想できる。そんな中、伝説上の生物が暴れようものならそれこそ人類が存続するのは困難だ。
「あぁ、そこは大丈夫ですよ。流石に伝説上の生物がそう簡単にポンポン出てくるようなことはないです。言いましたよね? 業が吸収し集まった物が魔物です。つい先程まで世界に漂っていた業は浄化され世界に吸収されていましたから、そう簡単に大物の出現はないですよ。あったとしてもそれこそ100年に1体か2体がいいところでしょう」
俺の考えを読んだかのように楽しそうに語るナナシは「ただし」と付け加える。
「これらには【自然には】と前置きが付きますが」
「どういうことだ?」
含みのあるナナシの言葉に首を傾げる。
「業とは魔物を構成する要素でもあり、魔物にとっては力の源です。その量に応じて姿を変えていき、それ相応の強さを持ちます。そうですね進化なんて言ってみますがどうですかね?難しいですか? まぁ、要するに業を大量に一箇所に集めることができれば直ぐにでも伝説上の生物なんかは生み出すことができるということですね。そのかわり、魔物が倒されればその元となった、吸収された業は力を失い無へと帰ります。そうやって世界から業を使い潰して業が世界から溢れないように調整していくわけです。魔物は存在するだけで業を僅かながら取り込みますので。そして、これこそが御主人様始め魔王のお仕事のであり、権能の一つとなります」
「要は俺たちは、世界から業とか言うゴミが溢れないようそのゴミで化け物作ってそれを倒させ無へと還せばいいんだな?」
浄化するシステムは上書きされて消滅したと言ってはいたが、正確には新たなシステムとしてアップグレードしたわけだ。
「まぁ、ざっくばらんに、神の立場からしてみたら業なんて不純物は人類のせいですからね。後始末も人類でやれってどこですかね? さてさて、これで話せることはもう無いですよ。さぁさぁ、始めましょうか御主人様。貴方がどんな魔王となるのか、そのチュートリアルを」
立ち上がったナナシに呼応するように、右腕に取り付けられたブレスレットからホログラムが投影された。
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【魔童 神樹】
年齢:(設定可能)
種族:(設定可能)
性別:(設定可能)
職業:魔王(チュートリアル中)
指標:0
支配地域:160m(半径)
Dポイント:10000P
カタログ
管理
魔王ネットワーク
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「何だこれ……」
ついさっき見たときと表示が変わっている。なにより、先程はなかった項目がいくつか増えている。
「そのDポイントというのは現在御主人様が保有している業を可視化したものだと思ってください。このチュートリアルでは、そのポイントを使うことによって御主人様の現在の魂の器を変更することができます。また、そのポイントはこれから御主人様か魔王として活動する際必ず必要となる資源です。このポイントは業を吸収することによって増えますので何もしなくても、世界に漂っている業を吸収して僅かながら増えていきますが、支配領域を拡張することによって更に吸収する範囲を拡大し、吸収する量を増やすことができます。では、まず上の3つ、年齢・種族・性別の設定から行きましょうか」
高評価、ブックマークなど執筆のモチベーションになるので、よろしくおねがいします。
……これないと、来ないって言われたが本当か?




