表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黎明のスラピュータ ~スマホもPCもなし?そんなの絶対楽しくないので、異世界幼女のおやつ係は「スライムなインターネット構築計画」を始動することにしました  作者: 鳴海なのか
第4章 市場調査と販路開拓

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/46

第26話「冒険者への、市場調査(2)」


 エイバスの冒険者たちのニーズを調べるべく、冒険者ギルドに依頼(クエスト)を出し、数組の協力者を募集することになった。


 そして依頼(クエスト)指定日。

 1組目の協力者として現れた冒険者パーティは、なんと、私が異世界に来た直後に助けてくれた2人組だったんだ。





「あのっ、先日は本当に……本当にありがとうございました!」


 開口一番ぺこりと私が頭を下げると、金髪の男が笑顔で答えた。


「どーいたしまして♪ っていっても別にそんなたいしたことしてないけどね」

「いやいやいや! 私が命拾いしたの、あなたたちのおかげですから!」

「俺達のっていうか…………なぁ?」

「あ、ああ……」


 黒髪の男が気まずい顔でうなずく。



 ええっと……すごく意味深っぽいんですけど……?





「……何かあったんですか?」


 私がたずねると、ためらいがちに黒髪の男が口を開いた。


「実はあの日、あなたと出会う前に()()からお告げがありまして――」

「へ? 神様?」 

「だから、その……俺達が助けたというより、()()()()()()()()と表現したほうが正確なのかもしれませんね……」


 彼はゆっくり語り始めた。




 私が異世界に来た初日のこと。

 冒険者である彼らは元々依頼(クエスト)関連の用事があり、少し離れた村へと向かってエイバスの街を旅立ったという。


 直後に神様から “森にいる人間を助けてやれ” とのお告げが。


 とりあえず周囲を捜索したところ、魔物に襲われそうになっている私を発見。

 慌てて遠距離から魔術を放って救出したのだとか。




「……というわけなんです」

「たぶんあとは君が知ってるとおりだと思うよっ」


 あのあと状況を聞かれて、エイバスの街まで送ってもらって、家や仕事や当面の生活資金の面倒まで見てくれて。


 ほんと至れり尽くせり。

 2人には、感謝しかないよ……!



「あれ? でもあの時、お2人は街から旅立ってましたよね?」

「旅立ったねぇ…………で、無事に依頼(クエスト)を済ませて、予定通りエイバスの街に帰ってきたのが3日前ってわけ」


 なるほど。

 元々そんなに長旅の予定じゃなかったんだね。


「それで君は元気にやってた?」

「はい、おかげさまで! 赤の石窯亭の皆さんも、家を貸してくれてるオーナーさんもすごくよくしてくれてますし……」


 ひさしぶりに再会した私たちは、しばらくの間、お互いの近況を報告し合ったのだった。





*************************************





「で、他に聞きたいことはあるかい?」


 話がひと段落したところで、柔らかな笑みを崩さず聞いてきたのは金髪の男。

 神絵師のイラストから抜け出たみたいなイケメンっぷりは健在で、気を抜くと見惚れそうになっちゃうねぇ。



 ……そんなつぶやきは心の中だけに留め、意識的に頭をフル回転させて答える。



「えっと…………そうだ! “神様” ってどういう存在なんですか?」

「「!」」


 男たちの表情が困惑へと変化した。


「う~~ん、難しい質問だなぁ」

「でもお2人は神様のお告げを受けたんですよね?」

「そうなんですが……むしろ、()()()()()説明がしづらいというか……」




 私自身は神様に会ったことないし、神様の存在すら信じ切ってるわけじゃない。

 だけど私の相棒(メガネ)にはいつの間にか『神の翻訳眼鏡』という名前がついてて、異世界言語問題をことごとく解決してくれるすごい存在になっていた。


 そして冒険者な彼らが助けてくれたのは神様のお告げがあったからだと。てことは少なくとも神様は、この世界に私が飛ばされたのを知ってたのだけは確定っぽい。


 もしくはさ、そもそも飛ばしたのが神様の仕業な可能性も考えられるよね?

 異世界物作品でそういう描写って定番だし。



 考えれば考えるほど「“神様” は自分と無縁だ」って言い切れなくなる。だからこそ神様について知ることで、何か掴めるんじゃないかって期待したんだけど……。




「……そっか、神殿に行けばいいんだよ!」


 金髪の男が何か閃いたらしい。

 隣で「その手があったか」と黒髪の男もうなずいている。


「神殿って神様を(まつ)るあれですか?」

「うんそれ! この近くに『原初の神殿』っていう場所があるんだよね。俺達みたいな()()()()()()じゃなくて、神殿に仕える神官達に聞いたほうが詳しく教えてもらえると思うぜ?」

「なるほど……」


 いきなり神殿と言われてもあまりぴんと来ないけど、“神官” っていうぐらいだから、きっと神様の専門家なんだろうな……うん、いい方法かも!



「じゃー、あとで神殿に紹介状書いとくよ!」

「え? 紹介状が無いと入れない感じの場所なんですか?」


 紹介状が必要となると、なんかすごく敷居が高いイメージだけど……。


「そんなことないよ!」

「原初の神殿なら『何も持たずに飛び込んだ人より、知り合いから紹介された人のほうが少し便宜を図ってもらえる可能性がある』という程度の軽い感覚でいいと思います。基本は誰でも入れる、初見歓迎な場所ですから」

「なるほど。ちょっと安心しました」


 近くにあるという原初の神殿。

 今日は時間もあるし、後で様子を見に行ってもいいかもしれない。




「……それよりさー、君、なんか用事があって依頼(クエスト)出したんじゃないの? 関係ない話ばっかりで時間が過ぎてる気がするけどだいじょーぶ?」

「やばっ……!」


 今日の目的は、冒険者にスラピュータの調査を手伝ってもらうこと。

 いつの間にかすっかり脱線しちゃってたねぇ。


「ならさっそく本題だけど――」

「待ってください! その前にお2人のお名前を伺ってもよいでしょうか?」



 一瞬、顔を見合わせる男たち。



「あぁ……そーいえば自己紹介してなかったか」

「言われてみると確かに……」


 思わず全員で苦笑い。

 うん、なんかタイミングがなかったんだよねぇ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


こちらも連載中です!
『ブレイブリバース!~会社員3年目なゲーマー勇者、器用貧乏系な吟遊詩人。男2人で気ままに世界を救う旅。』
RPG『Brave Rebirth』に熱狂するプレイヤーの拓斗は、ゲームにそっくりな異世界に召喚され勇者になったが……。ゲーム時代の経験や攻略サイト情報等を駆使しつつ、なるべく安全第一に、だけど楽しむことも忘れずに、世界を救おうと奮闘する召喚勇者の物語。

ランキングサイトに参加中です。
もしこの作品が気に入ったら、クリックお願いします!
小説家になろう 勝手にランキング
(投票は、1日1回までカウント)
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ