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1話

「さて、どうしたもんか。」


自称神の話が終わり、俺が転移されたのはある洞窟であった。


あたりは暗いが、なぜか壁についているランタンのおかげで少しは周りが見える。



そして俺の目の前にあるのは“ダンジョンコア“と呼ばれる丸い球体であった。


少し青みがかかった球体はあたりの暗さに負けず異様な雰囲気とオーラを醸し出していた。



「これが俺の心臓ねぇ。」


自称神に飛ばされる時にあらかたダンジョンについての知識は刷り込まれた。


そしてもちろんこの物体は何なのか知っている。



この球体を使ってダンジョンを運営していくのだ。魔物を生成するのにもこれがいるし、ダンジョンを改造するのにもこの球体が必要となる。そして最も重要なのは、これを人類に破壊された場合、そのダンジョンを管理している俺たちダンジョンマスターも死亡してしまうという事だ。故に俺たちはこの球体を命懸けで守らなくてはならないのだ。



「……触るか。」



球体に触れると目の前に画面のようなものが浮かび上がってきた。


すると、




[初めてダンジョンコアを触った]10000DP



[初回ログイン特典]ランダムスキルガチャ



[最初のダンジョンマスター]ランダムスキルガチャ



[神からの贈り物]ランダム魔物創造チケット



[転生者]ランダム魔物創造チケット



というメッセージが表示されてきた。


DPというのは“ダンジョンポイント“のことだ。


俺たちはこのポイントを使って魔物を生み出したりしていくのだ。



「とりあえず……二階層を作っとくか。」



現在一回層が存在するのだがそれだけでは狭すぎる。


凄腕の冒険者が来たら30分程度で攻略されてしまう。


それに色々特典もあるみたいなので俺は5000DPを消費して、ダンジョンの層を増やすことにした。



ゴゴゴゴゴゴゴッ!!!!!!


と音をたて、俺のダンジョンは成長した。




[二回層を創造しよう!]100DP




おっと、意図せずにDPを得られたのは嬉しいな。


これで俺の残りDPは5100DPとなったわけだ。



「お次は魔物創造だな」




ランクF


ゾンビ  100DP


歩く死体。その耐久力は紙を下回る。


知性はない。



「は?」



なんで一種類だけしか創造できないんだよ、おかしいだろ!


しかも耐久力は紙を下回るって…………ただの村人より弱いじゃん。


こんなやつだけでダンジョンを運営して行けって?無理だろ。



そして一種類だけしか創造できない理由はステータスを見たらよくわかりました。



ランクC


個体名「???」


種族 吸血鬼



スキル


無し



固有ユニーク固有ユニークスキル


血魔法


幸運



拝啓お母様、どうやら俺は人をやめたらしいです。


というか母さんの名前も出てこないわ。うん、これは記憶消されてるね。


まぁ、いい。消えていない記憶の中には俺は社畜であったことが含まれている。これ以上残業が続くようであったら俺はぶっ倒れていただろう。こうやってダンジョンマスターになれたのは僥倖だったのかもしれない。



とにかく、俺は不死系のダンジョンマスターになったのでその種類の魔物しか創造できないらしい。しかし、1回100DPとか割に合わなさすぎ。



もっとDPを節約する方法がないのか探していると。


やっと代案になりそうなものを見つけた。



リポップ(ゾンビ)


5000DP



ランクFのゾンビを1時間に1匹出現させる罠。


多数購入可能。






どうやら配置しているだけで1時間に1匹ゾンビが増えていくという罠のようだ。さて、このままゾンビを創造していくか、それとも5000という大量の数字を消費してこの罠を設置するか。………多大に迷うところであったが俺が選んだのは………




《【罠】リポップ(スケルトン)を設置してよろしいでしょうか?》



答えはYESだ。



《設置完了しました。1匹目のスケルトンが出現します。》



そう、リポップ罠を設置することであった。


今すぐ戦力を整えられないのは残念だが、のちのちを考えるとこの罠を設置した方がいいと俺は判断した。




[初めて罠を設置した]500DP



[初めて魔物が設置された]500DP




おお、DPの支給はとてもありがたい。


などと呑気なことを考えていると早速目の前に1匹目のゾンビが現れた。



「ガァァ!!」



え?と思う暇もなく俺はゾンビに襲われた。


これでも吸血鬼、怪我もなくゾンビを打ち倒した。


ゾンビは断末魔をあげて消えていった。



……なんであいつら俺に攻撃してきたんだ??


基本的に生み出された魔物は俺の命令に従うはずじゃ………



「ん?」



俺はあることを思い出し再びゾンビのステータスを見た。


そして、備考欄に書かれていたある言葉に注目する。


「やはり……知性はないって………」



まさかとは思うがあいつら俺の命令に従う知性もないってことか?


………………俺、こんなんで本当に生きていけるのかな。




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