チート能力『神々召喚』をゲットした俺は、妹と滅亡を回避するために必死です。

　兄妹二人きりで暮らす小山内兄妹。電車の問題で出社できなかった小山内次晴が、二度寝から目覚めるとなぜか、異世界転生。しかもよりによってつい先日大敗北を喫したばかりのナヴァール聖王国の王子になっていた……。
　父親である国王は華々しく戦死。王太子の兄も行方不明、王都の留守を守っていた自分とわずかな兵しか残っていないという状況の中、何とかしようとするもののピンチは続く。王国の危機に、国家を簒奪するべく教会が動いたのだ。教皇の娘で策士と名高いビアンカ教皇代理が現れ、次晴を破滅の罠に陥れる。諦めきった次晴だったが、ビアンカ教皇代理のとあるセリフに耳を止めた。
「こうめいならどう動くか……」
「ちょ、ちょっとビアンカさん？　今なんて言った？」
「なによ？」
「いや、いま孔明って……」
「孔明様は孔明様よ！　まー、知るわけ無いわよね、あの私の心の師匠、あの天才軍師様を……とにかく私はお兄ちゃんの半熟煮卵を食べれないままこちらに来てイライラしてるのよ！　黙っていて！　あんたを保護するかどうか悩んでいるんだから！」
　異世界に転生した兄妹が、強力な力を手にして世界を支配していく、これはそんなお話しです。