4.『攻略対象 騎士団長の息子(猫耳に弱い)』って何なんでしょうか?
「ルイーゼ様!もう許してくださいまし!」
「駄目よ!もう百素振りよ!」
あれから、ルナリア様とジュリア様は頑張られている。
第二王子の婚約者の友人という称号がよほど欲しいのか、二人とも根性をみせてはいるが、か弱い令嬢である。
走り込み、柔軟体操、素振りと基礎トレーニングをしながら鍛えているけど、中々厳しそうだった。
噂話や悪口を言う余裕も無くなってきたのか、彼女らから負の感情は聞かれない。
身体も引き締まってきたし、いい傾向だわ!!
「なあ、ずっと気になってたんだけど、あんたら何してんだ?」
そんな時に、『攻略対象 騎士団長の息子(猫耳に弱い)』を頭の上に浮かべたダルク・メルディス様が話しかけてくる。
「まあ、ごきげんよう。メルディス様。鍛錬ですわ。悪から善へなるために、彼女らは鍛錬してますの」
「……。よく分からないけど、あれじゃ逆に体壊すぜ。負荷をかけすぎ」
さすが、将来の騎士団長候補ですわね!
猫耳を愛する変態さんですが…、ここは助言を頂きたいところですね。
「そうですか。ところで猫耳はどうしてお好きなんですか?」
あ…、自然と一番気になっていたことが口から出てしまった。
「っっっっぅ!!!!ふぇ!!?」
メルディス様、驚いてますね。
ごめんなさい。だって気になりすぎるんですもの。
「そ、そうか…、『透視の能力』か…。え?そんな所まで見えるの?っていうかどこまで見えてるの?」
狼狽えるメルディス様に、思わせぶりに微笑んでみる。
「協力、していただけますか?彼女たちの鍛錬に」
後日、メルディス様はシルヴィール様に
「お前の婚約者…只者じゃないぞ…」
と零したそうです──。