~ とある柴犬の今日 ~
実際に実家で飼っている柴犬を元に、犬側に視点を変えて書いた話です。最後まで読んでいただけたら幸いです。よろしくお願いします。
今日も我が家は快適。寝床も完璧。同居人は少し騒がしいが、部屋から連れ出してくれる手下もいることだし問題はない。窓越しに見つめてくる人間にももう慣れた。我が”きゅーと”だから見つめておるのだ。気持ちは分かるぞ。許そう。だがこやつは少し見つめ過ぎだ。寛容な我も少し...。
この子、気になりますか?抱っこしてみます?
え、良いですか?お願いします。
パパ、飼わないのに抱っこするの?今日はソファー買いに来たんだからね。
いいじゃないか。ママだってこの子のこと可愛いと思うだろ?
もー。
お、手下よ、よく来たぞ。こやつが我のことを見つめ過ぎておるのだ。追い払ってこい。おい、手下よ、何処へ連れて行くのだ。我はこやつを追い払えと言ったのだぞ。おい、そっちではない。手下よ、我の言うことを聞くのだ。
連れてきましたよー。手の消毒だけお願いします。さぁ、お膝に乗せますねー。
あ、可愛い。良い子だねー。うちに来るか? ん?
可愛いなー。可愛い。どうしよう、可愛い。うちに来たいよな? うんうん。
え、、パパまさか飼う気じゃないよね?
でもほら、この子がうちに来たいって言ってるんだよ?
いや、でもうちにはもう一匹...。
もしかして、連れて帰られますかー?
はい! この子がうちに来たいそうなので。
ありがとうございます。お支払いが終わられましたら、本日中に連れて帰ることもできますがいかがいたしますか?
連れて帰ります!!
パパ...。
手下よ、先ほどのは許されぬ行為だぞ。我が追い払えと言った者の所に連れていくとは言語道断であろう。随分と体中を触られたぞ。ん?また何処かへ行くのか? ...このハコは他の住人が引っ越す際に乗っていたものではないか。我はまだ引っ越さんぞ。おい、手下よ、我を部屋に戻すのだ。おい。
ありがとうございましたー。たくさん可愛がってあげてくださいねー。
なんだ?外の匂いがするぞ。我は何処へ連れて行かれるのだ。随分と長い間ハコの中に居るな。我は眠くなってきたぞ。おい、手下よ、我に毛布を持ってこい。おい、手下よ、何処に行った。我は眠いと言っt...。
ただいまー。あら、お兄ちゃんだけ?お姉ちゃんはまだ学校かな?
うん。この箱なに?
パパがね...。可愛いわよ、開けてみて。
うわ!!か、、可愛い。あれ、ソファー買いに行ったんじゃなかったっけ?
そうなの。だけどパパがね、この子のこと気にいっちゃって。
ねぇねぇ、俺が名前決めていい?
良いわよ。可愛い名前にしてあげてね。
なんだか騒がしいの。ん、ここは何処だ?人間が増えておるではないか。おい、女、ここは何処なのだ。我を家に帰すがよい。おい、聞こえておらんのか?
決めた!君の名前はデイジー!! これからよろしくね、デイジー。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。この後も少しずつですが書いていこうと思いますので、ぜひ読んでみてください。