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デヤァ転生 ~無敵の攻撃 デヤァ!~  作者: フェフオウフコポォ


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13/16

弱点克服した市長と発展する街

「デヤァ!」

「「「「 グワー! 」」」」


 ジャンピングブレーンバスターで敵の群れを爆散させる。


「アレには近づくな、デヤァされる! 矢を射かけろ!」

「ふんっ! 矢など笑止しょうしっ!」

「てーっ!」


 一斉に矢が飛んでくる。


「グワー!」


 矢を受け倒れる俺。すぐに起き上がり足元に転がっているリンゴを拾う。

 だがすぐさままた矢が飛んでくる。


「グワー!」


 またも矢を食らい倒れる俺。そしてまたすぐに起き上がり足元に転がっているオレンジを拾う。

 だがすぐさままた矢が飛んでくる。


「グワー!」


 またも矢を食らい倒れる俺。そしてまたすぐに起き上がり足元に転がっている肉を拾う。

 だがすぐさままた矢が飛んでくる。


「グワー!」


 またも矢を食らい倒れる俺。そしてまたすぐに起き上がり足元に転がっているオレンジを拾う。

 だがすぐさままた矢が飛んでくる。


「グワー!」


 またも矢を食らい倒れる俺。そしてまたすぐに起き上がる。



「なんで死なんっ!」


 指揮官のいい加減キレ気味の『で』にアクセントをおく関西人のようなイントネーションの声が響く中、足元に転がっている薬草を拾う


「ふっ。」


 弱点に対する対応が済んでいる俺は小さく笑うのだった。


 俺の弱点とは飛び道具に弱い事……だがこの弱点にも強みがあった。

 どれだけ大量に放たれようが1発分のダメージにしかならないのだ。

 だからくらった分はすぐに回復すればいい。そして俺の回復とは食べ物を拾うだけで事足りてしまう。

 最初から戦場に食べ物をばらまいておけば、それだけで良いのだ。


 後は向こうの矢が尽きるか、痺れを切らすかを待てば良いだけ。そしてさらに――


「支援投擲ー!」


 ティアーヌ嬢の声で投石機を利用した後方支援が始まる。

 だが放たれ空中を飛ぶ『弾』は空気抵抗に負けて空中分解を始める始末。そして俺の周辺に破片が飛び散った。


「グワー!」


 飛んできた支援の破片を食らい倒れる俺。

 すぐに立ち上がり飛び散った破片を拾う。飛び散った破片はよく見れば食べ物だった。


 そう。これぞ後方支援!

 俺は周辺に食べ物さえあれば死ぬことはないのだ!


 そして破片の中に混じって転がっていたナイフを拾って投げる。


「グワー!」


 俺がナイフを投擲すれば物理法則を無視して一直線に飛ぶのだ。見事真っ直ぐに飛び指揮官に刺さった。


 さらにナイフを拾って投げる。

 ナイフを拾って投げる。

 ナイフを拾って投げる。


「グワー!」

「グワー!」

「グワー!」


 遠距離攻撃が弱点なら遠距離攻撃を遠距離攻撃で潰してしまえばいいだけのこと。


「くっ! か、かかれー!」

「よぉしこい!」


「デヤァ!」

「グワー!」


 こうして押し寄せてきた兵は大半がデヤァされた後、逃走を開始した。

 ソレを見届けて俺はティアーヌ嬢の治める都市へと戻る。


「「お疲れ様。」」

「うむっ! 発展の害になるヤツの相手は俺に任せてくれ!」


 出迎えてくれたティアーヌとレベッカに笑顔を返すのだった――




 今回襲ってきたのは俺の話から技術進化のヒントをつかみ取り実験事業を行ったティアーヌにより利益を失った者達の集まりだ。


 具体的に言えば、ティアーヌは今、電気に似たエネルギーの代替品として、この世界で簡単に手に入る魔石を電池として使用する方法を研究しているのだが、まだ成功には至っていない。しかしその研究過程において魔石を利用しての発火技術が生み出されてしまった。


 これは小指の先程のクズ魔石であっても小一時間燃焼し続けるという物で、これまでゴミ同然に扱われてきた屑魔石に大きな価値が生まれた。本来こういった技術は中世的なレベルから考えれば秘匿されて独占される物になるのだろうが、それを俺はオープンソース的に発信して更なる発展を呼び込むべきだとティアーヌを説得した。

 なにしろ限られた人間だけで取り組むより、まったく違う観点からの利用で大きく進化する事が往々にしてあるのだから。

 それに本来は電気エネルギーを目指しているのに発火してしまうという結果なのだから単純に失敗例の一つでしかないということも大きい。


 目指しているのはそんな小さな事ではない。破滅都市建設なのだ。


 そしてやはりオープンソースにしたことにより、より効率的に安価に発火させる装置を作る者が出てきて、市井にも爆発的な広がりを見せた。

 その装置を作った者も独占する知恵が無かったのか、それとも先見の明があったのか装置を広めに広めた事により、パン屋や台所を預かる者達、鍛冶職人に至るまで、新技術に多くの者が飛びついたのだ。


 技術進歩の片りんと変化を見せ始め、また一歩破滅都市に繋がったと喜んでいると、これに伴う問題もまた生まれていた。


 大衆に便利な技術が確立したことにより、これまで燃料として重要視されていた『木材』の価値が大きく変動したのだ。

 これまで木材は大事な資源であり、木材を生み出す森は資産そのものだった。貴族にしても森を守り、利権を確保する為に森番などの特権階級を作ったりして厳格に守ってきた。つまり森を管理する者やそれに付帯する者が大いに甘い汁を吸う事が出来ていた現状があったのだ。

 それが一気に捨て置かれてしまった事により危機感を覚えた者どもが集まって声を上げたのだ。


 声を上げた者はこれまで金を稼いできた者が多かったからこそ傭兵などを手当たり次第に雇って襲ってきた。

 傭兵にしてみれば仕事になって略奪も出来れば二度美味しいから断る理由もない。声を上げた者にしてみれば売り先がボロボロになろうが、これから先がなくなるかの岐路に立たされているからこそ自分の身が苦しくなったとしても死ぬよりマシの精神だ。ボロボロになろうが攻め落とした後に魔石を使ってるやつらを締め上げて木材の使用に戻せば生きていける。なにせ資源の森を動かすことは出来ないからここで生きるしかないのだから。


 というわけで、それを殲滅するお仕事を俺が引き受けたという流れ。


 もちろん今回デヤァした者は全員鉱山送りの予定だ。

 平均寿命半年の鉱山。

 どんな地獄かは想像に難くないが、是非、破滅都市に至るいしずえとして頑張って欲しいものだ。



 一人そんな事を考えていると、ティアーヌが口を開いた。


「あぁ、そうそう。また魔石加工に失敗したのだけれど、今度は失敗した魔石がクルクル回り続けるようになってしまったのよ……面白い失敗でしょう? 力を無くすまで回転し続けるなんて。なにか玩具にでも使えないかしら?」

「おっ!? 面白いな回り続けるとか! ハッハッハ! まるでモーターだ!」


「もーたー? もーたーってなんですの?」

「うん? モーターとは? と聞かれても難しいな。なんか回るヤツだ。

 工作機械にしろ乗用車にしろ、俺の知ってる動く物の動力源は大抵がモーターが原動力だった! そしてそのモーターを動かす為に電気が必要だった感じだな! …………ん?」


「……ちょっと詳しく教えてくださいまし。」

「おう?」


 どこからか、また戦争と混沌の香りが漂ってくる気がした。

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