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-γεεννα-ゲエンナの福音【アルル編】 

ーーこれは、神と人と炎の物語。

古の時代、世界に神の御遣い「天使」が降り立った。

その世界には数多の生命が在った。
空を翔ける優雅なる鳥、大地を駆ける雄々しき獣、樹々草花に息衝く麗しき精霊。

天使は、その中で、若く、弱々しく、だが知性溢れる生き物の手を取った。
その生き物は、「人」と云った。

人は、天に憧れ、偉大なる神の教えに畏敬を示した。
人は、言葉を知り、文字を伝え、父たる神のために「歴史」を紡いだ。

そんな彼らの肉体は、どんな生き物よりも脆く儚かった。
ふと意識すれば倒れているのだ。
大地の病に倒れ、獣の爪牙に貫かれ、骸すら鳥に突かれ、気づけば朽ち果てていた。

天使は、弱々しく命を散らす子を憐れみ、彼らに「剣」を与えた。

精霊は、人に剣を与えた天使を憎んだ。
人は剣を持つべきではないことに気づいていたから。人はか弱い存在ではないことを知っていたから。

精霊は危惧していたのだ。人が剣を持てばその性質が変わってしまうことを。
精霊は純粋に愛していたのだ。心優しき人という生命を。

精霊は人のために天使に戦を挑み、人の剣の前に敗れ去った。

やがて、人は剣に酔いしれ、その酔いは神への祈りすら忘れさせた。
そして、人の剣は人に向けられた。祈りを守る者と祈りを忘れた者は、互いの剣を交差させた。

世界には戦が溢れていった。

・・・ふと何処かで、誰かが訊ねた。

人が正しく在るべき道は何れにあらんや。

曰く、
「神の戒律か。人の欲望か。精霊の徳義か」

ーーこれは、人でありながら人の道を外れた者が「幸福(エウダイモニア)」を求める物語である。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

ー神戒暦13年ー
オクトリエル月8日。陽の当らぬ昼。

ディケロニア烙皇国辺境伯領小都市ザファケルに辿り着いた若き僧騎士は、そこで少女と出会った。
ボロ切れのような服をまとい、体の至るところに虐げられた傷を持つ少女。

僧騎士は少女を憐れみ、手を差し伸べる。

しかし、それが己の信仰を打ちのめす試練の始まりであることなど、知る由もなかった。

今なお死の流行病に冒され、心を失いつつあるこの町に、あらゆる悪意が吹き溜まる。
序章
2017/02/05 04:19
第1章 〜邂逅〜 第1話
2017/02/05 11:57
第1章 〜邂逅〜 第2話
2017/02/05 12:23
第1章 〜邂逅〜 第3話
2017/02/06 22:41
第1章 〜邂逅〜 第4話
2017/02/07 01:34
第1章 〜邂逅〜 第5話
2017/05/27 19:01
第1章 〜邂逅〜 第6話
2017/05/27 19:05
第1章 〜邂逅〜 第7話
2018/06/14 01:20
第1章 〜邂逅〜 第8話
2018/11/16 08:50
第1章 〜邂逅〜 第9話
2019/08/18 22:10
第2章 〜幻嶽〜 第1話
2020/08/30 19:14
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