操り人形の復活
シリアスです。
洗脳開始
そこは暗闇。
何もなく、己の存在すら定かでなくなる。
そこは"地獄部屋"と呼ばれ、入ったものの精神、はたまた命を奪うものであると言われている。
ロゼリアはかつて、そこに何度か入れられていた。
故にそこへの恐怖は計り知れない。
そこでは何も食べられず、
何も飲めず、
寝ようとするも、多くの囁きが常に聞こえ、精神から壊されていく。
ロゼリアが閉じ込められてから既に4日が経っていた。
初めは必死に叫びドアを叩いて出すように懇願した。
だがそのような体力は既になく、今ではただ床に倒れているだけだった。
光はなく、食べ物もない。
殴られ、蹴られることはなく、ただひたすら声が聞こえる。
意識が朦朧とし、声に従いそうになる。
ロゼリアの精神は刻一刻と蝕まれていった。
暗闇の中意識の朦朧とするロゼリアの周りで声がする。
何者ともつかない声。
すぐ近くとも遠くとも感じる声。
その声はロゼリアを蝕む。
「お前は王家の者と婚姻を結ぶ」「婚姻を結ぶ」
(嫌だ。私はもう・・・)
「止めて・・っ・・・」
「お前は王家の者を己がものにする」「手込めにする」
(違う。私は・・・)
「いやっ・・・・」
「お前は我らの駒」「動く人形」
(違う。そんなんじゃない)
「ちが・・・う・・・・・・っ」
「お前は我らに従う」「感情など要らぬ」
(嫌だ。また、あんな風になりたくない)
「・・・や・・だぁ・・・・」
「お前は我らの悲願のために動く」「あいつら
に《 》を」「《 》を」
数々の声がロゼリアの精神を侵す。
ロゼリアは必死に抵抗するも次第にその瞳から輝きが消えてゆく。
(いやっ・・・・だ・・・・)
「わた・・・し・・は・・・・・」
(たす・・・けて・・・・・・・ユーリ・・・)
「お前は」
「わた・・しは・・・・」
「王家の者を」「おうけのものを」
「手込めにし」「てごめにし」
「あいつらに「あいつらに「「復讐をする」」
「そうだ。お前はあいつらに復讐をする」
「わたしはあいつらにおうけにふくしゅうをする」
そして、ロゼリアの瞳からは完全に輝きは失われ、それはシルベルトに婚約破棄される前の瞳であった。
誰かが笑う。
我らが操り人形が復活したと、口を歪めて笑う。
復讐の始まりだと。
洗脳完了
次回は今年中になるか、来年になるかは未定です。
一度、ユーリ視点を入れようかな?と考えてます。
お読みいただきありがとうございました。