こんな筈ではなかった
少しシリアスです
誤字修正をしました。
学園の食堂 私の目の前には生徒会長である婚約者と他の生徒会メンバー、そして平民の女生徒、それらを中心に円を作っている野次馬(他の生徒)達がいます。すると婚約者が口を開く。
「ロゼリア・ハーヴェスト侯爵令嬢
君との婚約を破棄させてもらう」
(どうしてこうなってしまったの?)
「君はミアに罵声を浴びせたり、けがを負わせたり、物を壊したり、侮辱したりといじめた。」
(だってそうしないと貴方様との婚約が破棄されてしまうと思ったから)
「俺がミアに好意を抱いていたことが原因だとしても目にあまる」
(違う 貴方様のことが好きだったわけではない)
「よって君との婚約は破棄させてもらう」
(どうすれば良かったの?好きでもない貴方様との婚約を継続していただくにはどうすれば良かったの?)
私、ロゼリア・ハーヴェストはハーヴェスト侯爵家長女であり、リゼント王国第二王子様のシルベルト・デュサ・リゼント様の婚約者でもありました。婚約者と出会い婚約が決まったのは四つの頃でした。当時から私は親族から執拗なほどに婚約者との結婚、子を産むことを、婚約者との良好な関係を求められました。確かに普通に考えれば婚約者との結婚、子を産むこと、良好な関係を築くことは当たり前ですが親族のそれは異常でした。何故そこまで猟奇的なのかは分かりません。しかし、婚約者との良好な関係が得られてないと判れば叱咤、もしくは殴られていました。そのことからもし、婚約を破棄することになれば命をとられる、少なくとも縁を切られることは容易に想像出来ました。ですから私はそれ以降一般教養はもちろん経済、多種多様な言語、等の勉学により励み、マナー、芸術、王族としての心構えなど、様々なことに努力を重ねました。それにより、周囲からはお恥ずかしながら淑女の鏡と評されるようになりました。月日は経ち、14年共に過ごした月日のお陰で殿下には多少なりとも信頼されていました。彼女が現れるまでは。
彼女ミア・ダノンさんは平民の出でありながら、良家の子息子女が多く在籍しているこのマリアンジュ学園に特待生として入りました。このマリアンジュ学園は普通科、医療科、研究科、騎士科、芸術科の五つの科に分かれ、そこからまた細かく分かれていきます。もともとこの学園は貴族であれ、平民であれ、通うことを許可している学園です。しかし、その高額な学費により貴族が多くなった所です。その為に特待生制度を作り、知識、運動能力、芸術などといったものから1つ才能が認められたものがなれるものが特待生です。よって彼女はとても優秀です。二年の彼女はその優秀さから生徒会に推薦され、生徒会の書記として立派に務めを果たしています。もともと私は彼女に対し、警戒はしておりませんでした。むしろその勤勉さに感心していたのです。しかし、それも婚約者である殿下が彼女に恋愛感情を抱いたと分かるまでの話です。彼女は人柄もよく、その明るい性格から周囲の方々から大変好かれているそうです。生徒会に入り、活動するにつれ、他の生徒会メンバーから次第に恋愛感情を抱かれるようになりました。また、それは私の婚約者である殿下も例外ではありませんでした。
殿下は彼女に恋愛感情を抱いたと聞きつけた親族は私に早急に対処するように指示出しました。親族からの圧力にもし、婚約が破棄された時のことを考え、私は焦り、混乱した私はいじめに走りました。恐怖で正気を失った私は婚約を継続していただくにはどうすれば良いのか考え、普段なら決してしないことをしてしまいました。
その結果
「ロゼリア・ハーヴェスト侯爵令嬢 君との婚約を破棄させてもらう」
一番望まない結果になりました。
このことは既に親族に伝わっているでしょう。私はそのことを思うとこれから自分の身に起こることを考え、恐ろしいさ感じました。ですが婚約が破棄されることに嬉しくもあります。好きでもない相手にこのまま嫁がなくて良いのだと。まだ、あの人のことを想っていても良いのだと。そのような思考に耽っていると、殿下の「ロゼリア嬢何か異議申し立てはあるか?」という声に我にかえり、応えました。
「いいえ、ございません。殿下のおっしゃる通り、私がミア・ダノンさんに行ったことに対し、申し立てもなければ婚約破棄に対し、異議もございません。」私の率直な応えに対し、殿下は目を見開き驚かれていました。また、他の方々も同じような反応を示されていました。ですがこれが私の本心です。これからどうなるかは分かりませんが、勘当を覚悟すると思っていた時、
ふと視線を感じ、そちらを向いてみたらあの人が私をじっと見ていました。まさか彼がこの場にいると思わず私は心のなかで驚きました。もしかしたら、彼も私が殿下のことを想っていると思っているのではないかと考え、私は絶望的になりました。誰になんと思われようと良い。けれど貴方だけには殿下が好きなのだと思ってほしくない。その強烈な想いから私はその場にいることに耐えられず「それではこれで失礼致します。」と一言告げその場を辞しました。後ろでは呼び止める声などが聞こえてきましたがそれに構わず私はひたすら進みました。次第にはや歩きになり、気付いた時には走っていました。
(早くここから離れたい)その想いから私は馬車も使わずひたすら走り続けました。どのみち家に帰ればどんな目に合うか分からないことを考え、より長く見付からずに済むように私は森の中を通ることにしました。森の中をさ迷い続け、当たりが暗くなり、視界が悪くなり、疲れも出てきた時でした。足下を掬われ、目の前が下り坂だったこともあり、私はそのまま転げ落ちました。下まで転げ落ち、地面に仰向けで寝転がる体勢になり、身体中が痛み、このまま死んでしまうのかと思い、彼に誤解されたまま死にたくないと涙が出てきました。そんな中意識が朦朧とし始め目の前に広がる星空を見たのを最後に私は意識を手放しました…。
初投稿ですので拙いものです。広い目で読んでいただければと思います。
主人公がなるべく早く幸せになれるように頑張ります。
読んで頂きありがとうございます。