''魔剣ルーク''
「買っちまったけど、何なんだこの剣?」
シルバークは、鍛冶屋で用事を済ませエミリアのいる服屋へ向かいながら独り言を呟いていた。
『我の声が聞こえるとは・・・』
と、独り言を呟いていると剣がシルバークの心に話かけてくる。
「すごいなー。会話のできる剣か・・・」
何故だろう。剣と会話をしているためか周りからクスクス声がきこえてくる。
『そこら辺の鉄屑と一緒にするな。我は、大魔導師マーリンが作った最高傑作であるぞ。貴様などが軽く使えるモノではない』
「ふーん。なら、試してみるか?」
『何?』
「俺が使いこなせたら、俺の勝ち。使いこなせないなら、お前の勝ち。命でもくれてやるよ。その代わり・・・」
『何だ?』
「俺が勝ったら、俺の相棒になれ!!」
『ハハハハハハッ!!!!!』
「何だよ?」
『クククッ悪い、お前のような奴は、初めてだ。魔剣相手に取引するなど・・・分かったよ。貴様の勝負に乗ろう。』
「よし、早速だが明日悪魔と退治に出かけるぞ!!」
『悪魔?』
「ああ、依頼主の女の子から両親を悪魔から救いだしてほしいっていう依頼だ。」
『依頼?貴様は、探偵なのか?』
「違うよ。俺は、フリーグ王国の騎士団長だ。」
『何?ということは貴様、シルバークという名か?』
「ああ、そうだよ。」
『そうか、貴様が剣豪か・・・』
「なんだよ、びっくりしたか?」
『いや、別に。噂を聞いてな。』
「?どんな噂だ?」
『剣豪シルバークは、血も涙もない冷酷無比な男だと聞いたが・・・嘘だったようだな。』
「・・・。」
クソッ。まだ噂が流れてるのかよ・・・。
数年前の出来事を・・・俺は忘れたはずなのに・・・救えなかったあの子を・・・
『おい、シルバーク。』
「ん?なんだ?」
『何か考え事していたのか?』
「あ、ああ。ちょっとな・・・。」
「シルバさん!!」
会話をしていると、エミのいる服屋に着いた。
「何か欲しいもの見つけた?」
「はい、寝間着がありました。」
「よし、買おうか。」
「はい、ありがとうございます。」
エミが欲しい寝間着を買い、食料も少し買い、後は、シルバークの家に帰ろうとしていた。
「シルバさんは、何を買ったんですか?」
「うん、コイツをね。」
「こ、これは?」
エミにルークを見せた。
禍々しい妖気を漂わせているせいか、エミは変なモノをみる目で不気味がっている。
「魔剣ルークらしいよ。たしか、マーガリンとかいう魔導師が作ったんだって。」
『マーリンだ。』
「わわっ、剣が喋った!!?」
エミには、コイツの声はきこえるようだ。
『ほぅ、素質があるな。この少女には。』
「素質?何の?」
『魔法が使えるということだ。体の中にマナと呼ばれる原動力を龍脈から吸収することができる。』
「えーと、つまり?」
『はあ、貴様は、剣を振ることしかできないのか・・・つまり、魔法使いになれるということだ。』
「コノヤロー!!って、エミ、スゴいじゃないか!!」
「わ、私が魔法使いに?!」
『ただ、素質があるだけだ。そこから進化するかは、努力しだいだ。』
「そうかー。なら、エミには、できるよ。」
「は、はい頑張ります!!」
と、話していると、、、。
「よーし、着いたよ。」
「ここがシルバさんの家ですか・・・」
エミは、俺の家をみるなり下を向きワナワナと震えている。確かに、女の子が苦手だと思うよなー。
周りは森。何も楽しいものは無い。
「ごめんねー。こんな臭くて田舎で何も無いとこ」
「素晴らしいじゃないですか!!!」
「えっ」
びっくりした。てっきり怒っていると思っていたが、まさかよろこんでくれるとは・・・
凄く目を輝かせている。
「だ、だよな!!騎士団の皆は、バカにするんだよ。」
「そんな・・・こんなにキレイで神秘で優美なところあまりないですよ!!!」
「さあ、中に入ろうか!!」
「はい!お邪魔します。」
何か清々しい気分だ。
家を誉められるとは気持ちがいいな。




