依頼
「で、俺に何か用?」
いきなり、泣かれてどうすればいいか分からず、とりあえず近くの酒場に入る。
ここの酒場は、輩共が飲むようなところではなく子供用に飲み物が置いており静かな所だ。
「マスター、黒ビールとブドウジュース。」
「酔うなよ。またロバートさん呼ばなきゃならん。」
「今日そこまで飲まねぇよ!!」
どうだか、と言いながらマスターは黒ビールとブドウジュースを入れてくれる。
「で、その娘は?誘拐した娘?まさか、シルバークの子供?」
「ちげーよ。さっき会ったばかりだ!!」
「そうか。なら、安心だ。」
「てか、人の会話に首突っ込むな!!」
「はいはい。」
マスターは、シルバークとの会話を終わるとすぐに他の客の方へ行く。
「あ、あの・・・さっきはありがとうございました。私、フリーグ王国に来るの初めてで・・・」
「もしかして一人で?親は、どうした?」
「そ、それが・・・」
いきなり、落ち込んだように顔を下に向ける。
「父と母は、悪魔に拐われました。」
「何?!」
シルバークは、いきなり大きな声をあげた。
子供は、びくびくしながら驚いている。
「わ、悪い。で、君の名前は?」
「わ、私の名前は、エミリア・スカーレットです。」名前を名乗るとエミリアは、席を立ち頭を下げる。
「で、君は何で俺なんかを探していた?」
「あなたが''剣豪''だからです。世界に数人しかいない。そして、魔物を倒した数は他を凌駕する
数百人を越えているあなたじゃなければ・・・」
シルバークは、彼女の思い詰めた顔を見ると依頼を受けたくなった。しかし、、、
「俺は、君が思っているような男ではないよ。俺は・・・負け犬だ。」
「そ、そんな・・・」
「すまない。だけど、君の両親は、俺が王国騎士団に頼んでおくよ。」
シルバークは、黒ビールをイッキに飲み干すとこの場を去ろうとする。
「ま、待ってください!!」
しかし、エミリアは彼の服を力強く掴む。
「あなたにしか・・・頼めないんです。お願いします!!。」
少女の目から大粒の涙が溢れる。
「依頼を受けてやれよ。シルバ」
すると、店の中に入る客がそう言った。
「ジジイ・・・」
元王国騎士団長ロバートだった。「その子の依頼を受けてやれ・・・」
「だけど、俺には・・・仲間を・・・この子を・・・守れる自信がない。」
そう言うと、シルバークは頭の中で思い出が甦る。
シルバークは、頼ってくる人達の依頼を受け続けた。しかし、突っ張っていくせいで一人の依頼者が殺された。それから、依頼を断り続けた。
「なら、後ろは任せろ!!」
シルバークが我にかえると、ロバートが両肩を掴む。
「お前が突進していくなら、俺達がこの子を守ってやる。」
「ジジイ・・・」
「で、依頼は、受けてやるのか?やらないのか?」
シルバークは、考えずに答えた。
「受けるよ。この子の両親は、俺が連れ戻す!!」
少女は、笑顔でシルバークに頭を下げた。
「ありがとうございます。ありがとうございます!!」




