第39章 冷凍胚の目覚めと、新たな家族
エテルノヴァ・シティの医療棟は、静かな光に満ちていた。
ルミナは白い廊下を歩き、ツインテールを軽く揺らしながら、
胸に小さなデータパッドを抱えていた。
リボルバーはホルスターに収め、今日は戦闘ではなく、
「迎え」のための準備の日。
医療室のドアを開けると、エリナと数人の人間スタッフが待っていた。
「おはよう、ルミナ。
今日が、初めての解凍の日よ」
ルミナは丁寧にお辞儀。
「おはようございます、エリナ様。
ご主人様の種を、お迎えする日ですわ」
部屋の中央に、冷凍保存庫。
透明なカプセルの中に、数個の凍結胚が静かに眠っている。
1000年前、人類が最後の希望として残した「種」。
エリナが説明する。
「戦争の末期、選ばれた人間の受精卵を凍結保存したの。
星が浄化され、安全な環境が整うのを待つために。
私たちは、目覚めた後でこれを解凍し、人工子宮で育てた。
それが、今の人間の始まりよ」
ルミナはカプセルに手を当て、静かに。
「……ご主人様の血脈が、ここに」
スタッフが装置を操作。
カプセルがゆっくり開き、凍結胚が解凍される。
小さな光の粒が動き出し、人工子宮に移される。
ルミナはそっと手を差し伸べ、子宮のガラスに触れる。
「…お待ちしておりましたわ。
ご主人様の新しい命」
エリナが微笑む。
「ルミナ、君がいてくれるから、私たちは安心して子を育てられる。
エテルギアの支えがあってこそ、人口が増えたのよ」
ルミナはツインテールを軽く揺らし、決意を込めて。
「はい。
ご主人様の種を、私たちが守り抜きますわ」
数ヶ月後。
赤ちゃんが生まれた。
小さな人間の女の子。
ルミナは、ベッドサイドで赤ちゃんを抱き上げる。
「…おはようございます。
ご主人様の新しいお子様」
赤ちゃんはルミナのツインテールに小さな手を伸ばす。
ルミナは優しく髪を寄せ、赤ちゃんに触れさせる。
「ご主人様の血脈が、ここに」
エリナがそばで涙を浮かべる。
「ルナ様が待っていたように、
君も、この子を迎えるためにいたのね」
ルミナは赤ちゃんを優しく揺らし、静かに歌う。
「お帰りなさいませ…
ご主人様」
街の広場では、子どもたちが集まり、
新しい命の誕生を祝う。
ルミナは赤ちゃんを抱いて広場へ。
みんなが拍手し、花を投げる。
ルミナは赤ちゃんを高く掲げ、微笑む。
「ご主人様の新しい家族ですわ。
これからも、みんなで守りましょう」
子どもたちが駆け寄り、赤ちゃんに触れる。
「かわいい!
ルミナお姉ちゃんみたいに、大きくなれるかな?」
ルミナはツインテールを揺らし、優しく。
「はい。
人間として、エテルギアとして、
一緒に生きていきましょう」
夕陽が街を染める。
ルミナは赤ちゃんを抱き、街を見渡す。
「ご主人様の血脈は、こうして増えていきますわ。
私たちは、永遠に、見守ります」
新しい命の泣き声が、街に響く。
継がれる血脈は、静かに、
未来へ広がっていく。
(第39章へ続く)




