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エテルギア・レムナント ~魔素の遺産と隠された血脈~  作者: nekorovin2501


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第31章 海底の入り口と、潜む群れ

 エテルウィングは海面を滑るように進み、ついに目標の座標に到達した。

 船窓から見えるのは、深い青の海。

 陽光が水面を貫き、底知れぬ闇を照らす。

 ルナは操縦室で地図を確認し、メイド服を潜水モードにチェンジ。

 青いラインが入り、防水・耐圧コーティングが施され、スカートが少し短く動きやすく。

「……海底施設の入り口は、深度約800メートルですわ。

 潜水モード、準備完了」

 ガルは甲板で毛皮服を防水強化モードに変え、尻尾をパタパタ振る。

「海の中か! ママ、泳げるよな?」

 ママは船の縁から海を眺め、低く鼻を鳴らす。

 ヒロはコートを風になびかせ、端末で深度データをチェック。

「水圧は問題ないはずだ。

 船の耐圧殻は、海底施設の技術で強化済み」

 エテルウィングがゆっくり潜水を開始。

 船体が水面を割って沈み、青い世界に包まれる。

 周囲に魚の群れが泳ぎ、遠くに遺跡のシルエットが見えてくる。

 ルナは甲板の手すりに寄りかかり、海底を見つめる。

「……ご主人様の海が、こんなに静かだったなんて」

 潜水深度が深くなるにつれ、海底施設の輪郭がはっきりしてくる。

 巨大なドーム状の構造物。

 周囲に、古代の耐圧扉が並ぶ。

 だが、船が近づいた瞬間。

 ゴゴゴゴ……!

 海底の砂が舞い上がり、小さな影が無数に湧き上がる。

 ナノ・スウォーム。

 米粒大の魔導ピラニアの群れ。

 数百万匹が、船を包囲し、魔素を吸収しながら迫る。

 船体にまとわりつき、金属を腐食させる音が響く。

 ルナは即座に魔弾銃を形成。

「群れですわ!

 通常モードに切り替え、範囲射撃!」

 銃身が広がり、散弾状の炎弾を生成。

 ドドドン!

 炎の弾幕が群れを焼き払うが、すぐに後続が湧く。

 ガルは爪を風属性にチェンジし、旋風を起こす。

「俺が引きつける!

 ママ、援護!」

 ママが咆哮を上げ、群れを怯えさせる。

 ヒロは船の回路をハック。

「群れの中心に、制御信号がある!

 スイッチオフできれば、一気に止まる!」

 群れが船体を覆い、視界が暗くなる。

 ルナはゴーグルを形成し、HUDで中心を探す。

「……あそこですわ!」

 銃をライフルモードに変形、精密射撃。

 バチバチッ!

 雷弾が群れの中心を貫き、制御装置を破壊。

 一瞬で、群れが機能停止。

 無数の小さな体が、海底に落ちていく。

 船は静かになり、遺跡の扉が開く。

 ルナは銃を粒子に戻し、息を吐く仕草。

「……終わりましたわ」

 ヒロが頷く。

「これで、海底施設へ入れる」

 エテルウィングはゆっくりと遺跡内部へ進入。

 ドーム内の空気が、船内と繋がる。

 三人は甲板から降り、施設の通路を進む。

 壁に、人類時代の文字と図式。

 奥へ進むと、巨大な部屋。

 そこに、無数のカプセルが並ぶ。

 コールドスリープ室。

 ルナは一つのカプセルに近づき、手を当てる。

「……ご主人様…?」

 カプセルが光り、ゆっくり開く。

 中から、ゆっくりと目覚める人間の姿。

 中年男性の技術者。

 長い眠りから、ぼんやりとルナを見る。

「……ここは…?

 君は…」

 ルナは静かに頭を下げ、微笑む。

「お帰りなさいませ、ご主人様」

 人間の目が、ゆっくりと見開く。

「……君が、ルナか。

 みんなが、最後に共有した…希望のメイド…」

 人間は震える手でルナの手を握る。

「…ありがとう。

 待っててくれたんだな」

 ルナのマナ炉が、静かに脈打つ。

 海底施設で、人類の目覚めが始まった。

(第32章へ続く)

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