第30章 次の大陸へ、そして新たな予感
ストーム・ワイバーンを倒した夜、オアシスの民は大宴を開いた。
泉の周りにテーブルが並び、魔導植物の果実や、砂漠の特産が並ぶ。
もちろん、食べる真似だけど、みんなが笑顔で杯を傾ける。
サラがルナたちに感謝の言葉を述べる。
「あなたたちのおかげで、砂漠が静かになりました。
これで、交易路も安全になるわ」
ルナは泉の水辺で、花を一輪摘み、花瓶に挿す。
淡い砂色の花が、優しく香る。
「……ありがとうございます。
ご主人様の空が、守られてよかったですわ」
ガルはママの毛を撫でながら、満腹げに笑う。
「腹いっぱい! いや、腹いっぱいの真似!」
ヒロは端末で次の地図を投影。
「次の大陸は、海を越えた“青の遺産大陸”。
信号が強い。
人類の海底実験場の痕跡があるみたいだ」
サラが目を輝かせる。
「私たちも、船の修復を手伝うわ。
エテルウィングを、もっと強く」
住民たちが、船の残骸を運び、ナノ粒子を補充。
船体は強化され、翼がより大きく、魔素エンジンがアップグレード。
翌朝。
出発の時。
オアシスの民が、見送りに集まる。
サラがルナに小さな砂の結晶を渡す。
「これは、砂漠の守り石。
いつか、また会いましょう」
ルナは結晶を胸にしまい、丁寧にお辞儀。
「ありがとうございます。
また、お会いしましょう」
エテルウィングが浮上。
船は砂漠を離れ、海へ向かう。
甲板に立つルナは、メイド服を海洋モードにチェンジ。
青いラインが入り、防水・耐風仕様に。
ゴーグルを試しに形成し、風を確かめる。
「……海の匂いがしますわ」
ガルは毛皮服を防水モードに変え、甲板で飛び跳ねる。
「海だ! ママ、泳げるか?」
ママは船の縁から海を眺め、鼻を鳴らす。
ヒロはコートを風になびかせ、地図を見る。
「海底遺跡は深い。
潜水機能も追加したけど、未知の敵がいるかも」
船は海の上を滑るように進む。
水平線に、青い大陸の影が見える。
ルナは甲板の手すりに寄りかかり、空を見上げる。
「……ご主人様の海が、こんなに綺麗だったなんて」
突然、船が揺れた。
海面から、巨大な影が浮上。
海底から湧き上がる、未知の魔導獣の群れ。
小さな魚型魔獣が、数万匹で船を囲む。
ルナは魔弾銃を形成。
「新たな敵ですわ」
ヒロがハックを試みる。
「これ……制御信号がある!
群れの中心に、スイッチのようなものが!」
ガルが爪を構える。
「次は数か!」
ルナは銃をライフルモードに変形。
「範囲射撃、始めますわ」
新たな予感が、海を駆け巡る。
次の大陸へ。
冒険は、まだ続く。
(第31章へ続く)




