第26章 砂漠のオアシスと、隠された都市
エテルウィングは雪の大陸を離れ、数日かけて灼熱の空を渡った。
船窓から見える景色が、白から金色へ変わる。
果てしない砂の海が広がり、陽炎が揺らめく。
風は熱く、魔素の流れが荒々しく渦を巻いていた。
ルナは操縦室で地図を広げ、メイド服を冒険モードにチェンジ。
砂漠対応のベージュ基調に、フリルは残しつつ耐熱コーティングを追加。
ナノ粒子が淡く光り、涼しげな風を内側で循環させる。
「……砂漠の大陸ですわ。
魔素の信号が、二つ。
一つは地上、もう一つは……上空」
ガルは甲板で毛皮服を軽量化モードに変え、尻尾をパタパタ振る。
「熱ぃけど、なんか燃えてくるぜ!
ママも、砂の上を走りたがってる!」
ママは船の後部スペースから鼻を鳴らし、興奮気味に砂漠を見下ろす。
ヒロはスーツをトレンチコート風にし、扇風のような魔素循環を起動。
「記録によると、この大陸は“高温実験場”。
魔素を高温で制御する技術が眠ってる。
でも、守護者が二体……地上と空か」
エテルウィングは砂漠のオアシス上空に着陸態勢に入った。
下には、緑の島のようなオアシス。
その中心に、隠された都市の遺跡が見える。
着陸後、三人は船を降り、砂の上を進む。
熱風が吹き、砂が舞う。
突然、地面が震えた。
ゴゴゴゴ……!
砂が盛り上がり、超巨大な魔導獣が姿を現す。
デザート・リヴァイアサン――サンドワーム級の砂蠍龍。
全長数百メートル、甲殻は砂色に輝き、尾から砂嵐を巻き起こす。
口を開き、高圧の魔素ビームを吐く。
ルナは即座に魔弾銃をホルスターから形成。
ナノ粒子が集まり、銃身が長く伸びる。
「レールガンモード、展開しますわ!」
同時に顔面にナノ粒子が流れ、射撃用ゴーグルが形成。
リボン付きの細フレームが、青く光る。
ルナは肩にレールガンを担ぎ、ゴーグルで弱点をロックオン。
「照準、完了」
ガルは爪を砂属性にチェンジし、ママと連携。
「ママ、行けー!」
ママが砂を蹴り、突進。
ヒロは地面の魔素回路をハック。
「地形効果、発動! 砂を固めろ!」
砂が固まり、足場ができる。
リヴァイアサンが砂に潜ろうとするが、ヒロのハックで動きが鈍る。
ルナがチャージを開始。
レールガンが魔素を蓄積し、青白く輝く。
「雷属性、フルチャージ……発射!」
ビュン!!
超高速の雷貫通弾が、リヴァイアサンの口内核心を直撃。
爆発が起き、巨体が崩れ落ちる。
砂煙が収まり、オアシス都市の入り口が現れる。
三人は息を吐き、進む。
都市は、砂に埋もれた古代のオアシス。
泉が湧き、遺跡の建物が並ぶ。
ルナは泉の水を手にすくい、顔を洗う仕草。
「……涼しいですわ」
都市の中心で、データクリスタルを発見。
高温魔素制御技術。
だが、喜びも束の間。
空が暗くなった。
雷雲が急速に広がり、巨大な影が船を覆う。
ストーム・ワイバーン。
翼長数百メートルの雷竜。
鱗に稲妻が走り、咆哮で嵐を呼ぶ。
エテルウィングが揺れ、甲板に三人とママが立つ。
空中戦の始まり。
ワイバーンが突進し、雷撃を放つ。
ルナは甲板に膝をつき、再びレールガンを形成。
ゴーグルを装着し、風に髪をなびかせる。
「対空モードですわ!」
ガルは融合で一時的な翼を生やし、ママと共に飛び出す。
「空中戦だぜ!」
ヒロは船の回路をハック、シールド展開。
ストーム・ワイバーンが、嵐を纏って襲う。
三人の戦いが、空で始まった。
(第27章へ続く)




