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最終話 最強の護りと約束された未来

本日2話目の更新です。

先に『レイヴンのいない夜/縁談の結末』をお読みください。

本編最終話です。

《最強の護りと約束された未来》


ーー広大な草原の中に立つカティアとレイヴン。夕焼けに照らされ、周囲には何もない。レイヴンの魔法で移動してきたばかりのカティアは、まだ驚きが収まらない様子。


カティア「……えっ、ここは……?」


レイヴン「エトラシア大草原だ」


カティア「エトラシア大草原!? 王都からこんなに遠い場所まで一瞬で!?」


レイヴン「あいつの手が届かないところで、誰にも邪魔されずに二人きりになれる場所に行きたかったんだ」


カティア「こんなに遠い場所まで……どうやって!? 帰還魔法じゃ来れないでしょ!!?」


レイヴン「これも帰還魔法の応用だってば。過去に行ったことがある場所なら、どこでも瞬時に移動できるようになったんだ」


カティア「過去に行ったことがある場所なら、瞬時に!? あんた……常識はずれすぎて、ついていけない……!!」


レイヴン「……カティアっ!」


ーー想定外の展開に軽く眩暈を覚え、足元がふらつくカティア。レイヴンは咄嗟にカティアを抱き寄せ、優しく支える。


カティア「……!!」


レイヴン「俺、カティアのためなら、どんな常識はずれな魔法も使うよ。カティアが俺以外の誰かと結婚するの、どうしても嫌なんだ」


カティア「えっ……でも、だってレイヴ、私のこと……」


ーーレイヴンはカティアの前に跪き、小箱を差し出して開ける。


レイヴン「これを、お前に渡したかったんだ」


カティア「……っ! これって……!」


レイヴン「カティア、この指輪を受け取ってほしい」


カティア「これ……どうしたの? これは、ミスリルと……ま、まさか、この石って……!?」


レイヴン「……俺が作ったんだ。ミスリルと聖霊石を使って、俺ができる最大限の護りを込めた」


カティア「これ、この純度のミスリルもすごいけど……聖霊石!!? しかもこんなに強力な護りが入ってるものなんて、見たことない!! どこを探しても、手に入れるのなんて無理よ!!!」


レイヴン「ああ、俺もそう思う。ミスリルはグレインの洞窟の奥で採取した。聖霊石はお前が迎えにきてくれた、あのダンジョンで手に入れたんだ。魔法もオリジナルで編み出した」


カティア「オリジナル……って、どこから突っ込めばいいの!?!? レイヴ、どうしてこんなに凄いものを……!!?」


レイヴン「……お前を護るためだ。これでも足りないくらいだと思ってるけどな」


カティア(え……? 足りないくらい? そんなことあるの!? この指輪で護れないものっていったい何よ!!?)


レイヴン「カティア。お前がどんな危険に晒されても、俺が護る。絶対に」


カティア「レイヴ……でも、あんた、すぐにふらっといなくなるじゃない」


レイヴン「毎日、帰還魔法でお前のところに帰ってくる。それに……俺がどこに行っても、お前が迎えに来てくれるだろ?」


カティア「レイヴ……」


レイヴン「俺も、お前がどこにいても見つける。どんなヤツからも護る。だから……カティア、結婚してくれ」


カティア「……っ! ……本当に、私でいいの?」


レイヴン「お前しかいない。カティア……俺は、お前を愛してる」


ーーカティアは目を見開き、心が震える。


カティア「レイヴ……私も、レイヴがいい。レイヴと結婚したい。あんたがいなくなると、いつも不安だった。もう、帰って来ないんじゃないかって……。でも、これからはもう……ずっと一緒にいられるのね」


レイヴン「ああ、どこにいても、必ずお前のところに帰ってくる。だから、もう怖がらなくていい」


カティア「……うん、もしあんたが帰って来なくても……絶対に迎えに行くから、覚悟して!!」


レイヴン「ふっ……カティアには一生敵わないな。そんなお前が好きだ……愛してる」


ーーカティアの心は、とうとう完全に解けて、レイヴンの腕の中でその気持ちを受け入れる。二人の距離が縮まり、レイヴンがゆっくりとカティアの唇にキスをする。


カティア(レイヴと一緒に、ずっと……どんな未来も、私はレイヴと一緒にいたい)


レイヴン(カティア、ずっと護るよ。お前と一緒に、どんな未来も生きていく)


ーー二人の気持ちがひとつになる。いつの間にか夕日は草原の彼方に姿を隠し、満天の星々が祝福するかのように瞬いている。カティアとレイヴンは星空の下で静かに何度もキスを交わす。そのキスは、二人の未来を約束するものであり、何よりも深い愛情の証だった。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

よろしければ、評価、リアクション、ブクマいただけると幸いです。

次回からエピローグを投稿します。


次話『エピローグ 二十年後①』

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