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使い魔を、ころすというのは間違いだ

イートインが無いコンビニのゴミ箱にそこで昨日に買ったゴミを捨てていると、家庭ごみは捨てないでと注意をされました。コーフィー・ブラウンです。

何だよ!何様のつもりだ!客の分際で!そのゴミ全部店側が収集して処分するっていうコストを考えてくれよ!自分の家に持って帰ってんだろ!責任もてよ!


はい、ちゃんと気を付けます。


では、どうか楽しんでください!

目の前の男性がコーヒーの匂いをかいで、少し飲む。

「ほ~っ」さぞおいしそうに。

それを見て、私もカップを近づける。 おお、香り高い。

ゴクン 「お、おいし~。」「ふほふほふほ。君のいた世界にもあるだろう?」

「ええ。しかし本当にここは、素材の味というのが、素晴らしいんです。」

「君の父さんのおかげだよ。これは。」「え?」

「コーヒー。初めて飲んだ時はびっくりしたが、もうこれがないといけない体になってしまった。」

ゴクン 本当においしいものだ。

「あ、名前をいうのを忘れていたな。アルファ・ラードン。ラードンだ、よろしく。」

握手する。 もちろん頭を下げながら。

座り直し、体を反らすと賢者のような人だ。

「ふほふほ、そんなにへりくだらなくてよい。もう引退した身だ。

そうか、あんな男の、娘が目の前にいるとは不思議も不思議。リク・レシオン。」

「はい」 「血は争わんもの。でも周りの環境は違う。」

それはつまり、「目立つほど、周囲がそば立てる・・。」 

さっきで分かったじゃない。魔族といえど、権力は必須。

あの魔王は、逐一私の状況を気にしながら手を貸してくれるやつじゃないだろうし。

にやつくアルファ。

「まあ、そう深く考えんでもいい。我が後ろ盾になるというんだから。その代わり。」

座りなおして、前かがみになる。

ゴクン。

「こうして呼んだら付き合え。よいな。」

「まあ、ありがたいです。ほどほどに、力はあるみたいですし。」

「どうしてそう思った?」

「ずいぶんその椅子が合わないようで。」さっきから何度も座りなおしている。

「腰が悪いのだ。」少しムスッとした様子。 「すみません。」 手を横に振るじじい。

「で、どこで気づいた?」

マジレスすると、アテリーが様付けしたことくらい。

「勘みたいなものです。」 

「ふほふほふほ・・」 それでこそ、未来の副社長というもんだ。


城に戻り、教場を通った時、遠くにいた数人が目に入った。


「おい、はやくその蛇を握れよ。」 「う~、こ、怖いよ。」

さっきの山吹クソガキが、「じゃあ、どうせだしこいつの歯磨き、手伝ってくれよ。」

魔法陣から出てきたのはカバより二回り大きい、カバ。

「ひっ・・ぽ・ロード・・。」

あまりの大きさと臭さ、喉奥から聞こえてくる重低音におびえた少年の足元に、水が滴る。

「ぎゃはははっ 漏らしてんじゃねえか。ちょっとシット様、やりすぎじゃないですか?(笑)」

少年はぼろぼろと涙をこぼす眼だけが揺れ動き、立ち尽くしている。

「おい、何か言ってみたらどうだ? お前も誇り高き魔族ならな!」

白い蛇がみるみる大きくなって、うねりながら頭から飲み込もうとする。


裏拳一撃で蛇の頭の骨を砕くリク。


「パルシュ・・。」 驚くクソガキ達。

「大丈夫!?」 立ち尽くす少年を抱き寄せ、クソガキをにらむ。 ん?こいつら確か。

山吹クソガキも我に戻り、

「おい!俺の使い魔に何してくれてんだ!」

クソガキ2号が「ああ!?死んでます!」 3号「とうとうやりやがった!」

「お前、もう追放どころじゃねえからな。」 そう言って走っていく。

「これは、まずいかな・・。」消えていく蛇の死体を見ながらつぶやいた。

「ご、ごめんなさい!」 助けた少年も走り去って行ってしまった。


夜の、六時。現世では信じられない時間での夕食。

「使い魔って私でもできるの?」ミリアに聞いてみる。アテリーに聞いても「知らん」っていうだろうし。

「誰でもできるし、人気だからリクにでも大丈夫だよ。」 

「まじ!おすすめは何?」 

「うーん。誰にでもできるとは言ったけど、どんな生物も使い魔にできる訳じゃないんだよね。」

「まずは、見てみたらどうだ?ミリア、食べ終わった後あれみせてやろう。」

「あー!いいね!」


「いくよー。リク。」 「うん」 

魔法陣からでてきたのは、虹色の針のようなうろこにルビーのネックレスのような尻尾、真っ白な瞳は黒い体と相まって満月のよう。

「この子はオブリストカゲ、きれいでしょ。

この美しい身体をめぐって大金が動くのは、よくある話なの。この子も密猟者から助けたのよ。」

「そうなんだ・・。」 「どう?リクもほしいでしょ?」 

「うん。ありがとう、ミリア。 ところで、他人の使い魔をころしたら罪に問われるんですか?」

「ヤ、ヤメテ!」 

「うーん。場合によるけど、ま、大体そうだな。

最高で、死刑か~・・」ん?え?

「最低でも二年ぐらいじゃないかな。」

そんな。「へー・・・」


その時、コンコンコン。「治安隊です。リク・レシオンはいらっしゃいますか?」

あ・・・。 寮母さんが小走りで扉を開ける。

「こんばんわー。」若く細い男と、「失礼します。君だな。少し来てくれ。」正義感が全身からあふれ出ている男。

「待って!難の疑いなの!?」驚くミリア。 アテリーは黙って座ったままだ。

「使い魔の殺傷だ。」 ハッ と気づいた二人。

リクが連れ去られて行ったあと、焦るミリアに、

「何も心配しなくていい。メシア。ここの留守を頼むぞ。」 「どこに。」

「こういう時に役立つ人物を知っている。」


「殺したのか?」夜だからか、オレンジの明かりがここの雰囲気を醸し出している。

「まあ、はい。」 「どうしてだ?」

「城内に突然大きい蛇が子供を襲っていたので。」

「あれ、そんなに大きくないようだぞ。」 「え?」

「殺された魔獣はホワイトビーチスネークといってな、こんくらいの大きさだ。」

両手で水をすくうぐらいの大きさ。「そんなはずは!?」

「こんな感じでしたでしょう?」もう一人が持っている檻に入っている白い蛇。

「色はそれでしたけど・・。」

「リクさん、君ね、目の前で泣いた少年を見て何も思わなかったのか?

せめてここでちゃんとあなたの腹から言い出して、きれいさっぱり償いましょうよ。」

「いや、私h・・」 コンコンコン 「交代だ。」

入れ替わって入ってきたのは三人の大男と、明らかに一人異質な者。

貫禄というよりは、重みがあるようなその男が目の前に座り込んだ。

「経理部の部長、ナイル・ミラーゼだ。

リク。といったか。私の息子が世話になったな。」 あれマジだったのか~っ。

「親御さんですか。」 

「家に帰ると、息子が泣きついた来たんだよ。久しぶりに泣いているのを見たもんでな。ただ事ではない。どうやら先生に息子の大切な大切な使い魔を殺されたと。本当なのか?」

「まあ・・・。」 あいつ、涙あったんだ。

「どうしてだ?」 どうして?そんなことこっちが知りたいよ。

どうして私はこんな目にあっているの? 

ん?もし逮捕されたら、その分授業も、この国の重役もしなくていいんじゃないか!?

「いや~あまりに立派な蛇だったので使い魔だと気づきました~(笑)」

「そんなこと聞きたいわけじゃない。

息子の話では、先生に少し反抗したからその腹いせなのではないかと?」

あいつ、実は賢いのか?あのクソガキが描いたシナリオ通りに進むのは癪だけど、今回は感謝しよう。

「もし、息子さんが噓をついているなら?」

「はあ、もういい。」ガタッ 去り際に、「貴様は、死刑だ。」

「な゛っ」 その時、

ガチャ 「せ、先生!?」 現れたのはアルファ・ラードン。

「おお、ミラーゼ。こんなところにいたのか。探したんだぞ。」

「どうしました?」さっきの貫禄はすっかりなくなっている。

助けてくれ。そんな思いで彼を見る。

するとラードンはまるで絶対に壊れないオモチャを見るような目で(超うざい)こちらを見る。

「おや、その子は。たしか最近新しく就いた教官。」

「はい。どうやら使い魔殺傷の疑いがありまして。」

「ふほふほ。 それに聞いたところによると、経理は人事におびえていると大口を叩いていたとか・・・。」

「なるほど、そんなことまで。」 両者いやな笑顔だ。

「確か名は・・・。」アルファがナイルに耳打ちする。

ゆっくりとその耳に偏っていく眼と同時に、彼の顔が青ざめていくのがここからでもわかる。

「ミラーゼ。今なら間に合うぞ。」 「はい。」 ダッ

「さてと・・。」 「ありがt・・。」

彼の背中から巨大な鬼の手がふたつ。

「ずいぶんとこの街を楽しんでいるみたいだ。」

狭い部屋の空間を、鬼の手が占拠しながら近づいてくる。


私、ここで終わり・・・?

本作品を読んで頂きありがとうございます。

今回は長い作品になったかなと自分でも思います。

長さについては自分がやりやすい方を実行していこうと思います。


キャラクター紹介

シット・ミラーゼ  (11)

経理部部長の息子。 通称山吹クソガキ。自慢の使い魔はほとんど母親からの貰い物。

演技と世渡りがうまく、大人の扱いを心得ている。

優秀な兄が後継するとされているので遊び回っているが、本人に全く劣等感がないわけではない。


ナイル・ミラーゼ  (37)

経理部の部長。 実はたいへん聡明な性格。

自身は望んでいないが、今の妻と結婚し、悩まされている。

天才の反動なのか、あまり他人に興味がなく、シットの演技を見破れない。


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