村の守護神①
どうもコーフィー・ブラウンです。
どうか楽しんでください。
己の手からこぼれ落ちそうになった思い出は、そのたびに心の奥の部屋にしまい込む。
あの頃の大事なものはきっとまだそこにあるはず。
大人になってからは思い出す余裕なんて無い暮らしをしていた。
母が倒れて難病と診断されてからも。
それは遠い、とおい、・・おい。
「おうい。着いたぞ。」 「・・・ん」
もたれかかるミリアとリクは目を覚ますと少し戸惑っている様子(尊い)。
「?・・あー?リク、いきなり変わりすぎだよ。」 寝起きだな。
「着たくてきてないの!」
「ああ。もう一度確認するが、これは公務。お前たちは教官ではない。
リクは副社長、ミリアはその従者だ。
リク、今日のお前はこの国で二番目に偉い。ま、相応の対応をしてればいい。」
馬車が止まり、扉が開かれる。
外の景色を見ると、村の者。
全員じゃないかと思えるほど多くの魔族がひれ伏していた。
副社長・・・。
一体一体をよく見ていくと、大体の肩が震えている。
私ってこわいの・・? まるで自分の知らない自分になっているようで気持ち悪い。
馬車から降りる。最前に立たされたが一体何をすれば?
「長はいるか?(アルファ)」
「は、私でございます。」 「表を上げよ。」
ゆっくりと持ち上がる面。
目が合ったその顔はまるで大手の取引先に向ける観察眼。
私、ビビッてないよね?
「名は?」
「トデ・ルマスと申します。」 「ルマス。今日は世話になる。」 「はっ」
しばらくの静寂。 こっそりと後ろを見ると、
ミリアもアルファもこっちを見ていた。
えっ!?私!?
「・・話をしたい。(アルファ)」 「では、こちらへ。」
「お食事はもう済まされましたか?」
「そ・・れは・・」 「すまんが、もらってもよろしいか?(アルファ)」 「はい!今すぐ!」
どうしよう・・。中で食べてきたのに。
確かに豪勢とはいえない料理だが、あきらかに箸が進まないリク。
「申し訳ございません。ただいま、あまり狩りが芳しくなうて・・。」
「い、いやいや全然!おいしいです!」 「へ?(ルマス)」
「は~ッ(ミリアとアルファ)」ため息をつく二人。
「あっ、そ、それはなぜ?」
「獲物がおらんのか?(アルファ)」
「いえ、いるんですが・・。最近この辺りを人間どもがうろついていまして。」
「え?」 どうして問題なんだ?
あ! 違う! 私今、魔族だった!
「前までそんなことは無かっただろう?(アルファ)」
「今まではいたんです。守り神が。」
「こちらです。」
村長の家を出て、岩山の洞窟の前まできた。
「ここに守り神が。」
「ええ。引きこもってしまって。」
「では、行きましょう。」
「ん、ミリア。お前は村で待っていろ。」
そこから階段を下って十分程で大きな黒い扉の前に来た。
「ここはずいぶんと綺麗ね(精一杯の貴族言葉のリク)」
「ええ。彼がきれい好きですから。」
「これがダンジョン・・?」
私が思っていたダンジョンは沢山の魔物やトラップ、迷路だったんだけど、
このシンプル明るい何もいない空間。
お願いしますと言わんばかりに村長は後ろに周る。
とりあえず・・。コンコンコン
「何だ。今日もまた来たのか。言っただろう。
私はもう主以外には尽くさないと!」
ビクッ ずいぶんと機嫌悪いじゃん・・。
「・・こんにちは。 リク・レシオンです。」
ドン! ビックッ!
「ハア・・ハア・・これはこれは主!こんなに遠いところまでわざわざ・・・。」
大きい扉をやすやすと開き、現れた黒い騎士。
兜の中は暗黒が広がっていて顔は見えないが、息は感じる。
「これは絶好のチャンス・・・」
ザッ 膝まづく騎士。
「君のためならこの命、燃え尽きる時まで。」 ファアン!
「暇だなー・・。」しゃがんでいるミリア。
地面に並ぶアリの行列。
「長ーーーーい。」 その時、ドゴーーン!
「村の方だ・・。」
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