2話 3人まとめて転生されてる。
目の前に誰かがいる。
こんなの行くしかないやん。
あーそうか…なんか息苦しいと思ったんだよな。
真っ白?いや真っ黒なのかもしれない。
謎の空間に私はいる。
うむ…なんだろう…。
毒でももられたんかな。
「正解!」
女子の声が後ろから聞こえる。
「え?正解?」
うん…毒盛られたんか…。
何が?って話だけど。
ここは夢なのかな?
「夢じゃないよ。現実でもないけど。」
「え?」
理解できなかった。
すっごい考えるアインシュタイン並みに頭を回転させてたつもりだったけど。
まるで分からない。
「どゆこと…?」
なんで私の考えてる事が分かるのだろうか。
私は恐怖で体を動かす事が出来なかった。
まぁ頑張れば動かせるけど。
振り向いてみた。
そうしたら髪が白くて美人な女性がいた。
白髪…?
「違います。地毛です。」
まぁ知ってたけど。
「え?私毒盛られたの…?」
無理やり話を戻してみる。
「あなたはケーキ屋さんにて…盛られました。」
その言い方笑える。
「つまり、ケーキに毒が塗り込まれていたのです。」
やけに言葉数が少ない。
コミュ障説が浮上してきた。
「あなたの肉体は今死んでいます。」
「待って下さいそれって…?」
「…あなたはあの時死んではいけない存在だったのです」
どうゆう事だ…?
本当に。
白色の髪の女性はまるで起こってはならない事が起こったような顔をしている。
「ちなみに貴方のお友達も今死んでいます。」
「え…!?」
私の中で1番衝撃的な事実。
今まで体験した事がない。
「待って下さい貴方誰なんですか…?」
「…私は導く神ビーズ」
「神…?」
はぁ…さっぱり。
これはやっぱり夢…?
でも現実感はある。
「そこで…あなたには異世界に行ってもらおう、という提案を…」
「はぁ…。」
「異世界で、魔王を倒してもらったら、貴方の住んでいた現実世界に戻します。」
「待ってなぜそんな事を…?」
「異世界で死んだら…もしかしたら人間じゃない生き物に転生するかもしれませんね。」
ずっと頭が混乱している。
と言うか今この状況にいる事を認めたくない。
「ちなみにもう貴方のお友達は異世界で待ってますよ…?」
「え?」
「あなたの肉体は今異世界にもう転生されてます。」
まさか…。
「あなたの友達は今心配してますよ…?ずっと起きない貴方を見て。」
ずるい…。
「今の貴方は魂だけの存在。つまり肉体の脈はないんです。」
行くしかないじゃん…。
「私は友達を心配させたくない…。いいですよ。行きます!」
これが今の精一杯の勇気。
「わかりました!それでは…武運を祈ります———」
そうしたら目の前が青くなり、吸い込まれる感じがした。
そして私は…転生された———
次回…異世界からこんにちわさせていただきます…。