第六話
村に戻るにはまだ早い時間だった。
なので、探索を続行すると何かの足跡を発見した。
このサイズからいくとゴブリンあたりだろうか。
ゴブリンは個体としては弱いがすぐに繁殖し群れの規模が大きくなりやすい傾向にある。
放置してしまえば村が滅ぶ程の脅威になると親父からは聞いていた。
足跡を慎重に辿れば洞穴のような場所に辿り着いた。
どうやらここがゴブリンの巣穴になっているようだ。
村長からは討伐が難しければ報告に来いと言われていたがこの程度ならなんとかなるだろう。
意を決して洞穴の中に入り込む。
洞穴の中は空気が澱んでおり饐えた臭いが充満している。
あまり長いことをしたくない思いから足音を消しつつも足早に進んでいく。
洞穴はどうやら枝分かれはしていないようで広間のような場所に辿り着いた。
そこにはゴブリンが大量にいた。
目視できるだけで50匹は超えているだろうか。
中々規模のでかい集団だ。
この数を剣だけで倒すのは中々に厳しいだろう。
無詠唱でエアパレットという風の弾丸を撃ちだす魔法を使い近くのゴブリンから討伐を開始した。
ゴブリン達からしたら何が起きているのか理解することは不可能だっただろう。
30分もすれば広場にいたゴブリンの掃討は終了していた。
広間の奥にはまだ空間が続いているようで魔石の回収を後回しにしてそちらに歩を進める。
通路を通り抜けるとこれまた広い空間が広がっており先ほど倒したゴブリンよりも図体のでかいゴブリンが5匹いた。
何かの肉をムシャムシャと食べており完全に油断している。
足音を殺し距離を詰め間合いに入ったら親父から習った瞬歩で一気に距離を詰め図体のでかいゴブリンの首を刈り取った。
1匹倒した時点で気付かれたがこの距離なら関係ない。
舞うように剣を操り次々に図体のでかいゴブリンの首を刈りとっていった。
これでこのゴブリンの巣のゴブリンは全滅させることが出来たようだ。
魔石を回収したらお暇させてもらおう。
魔石を回収し終え洞穴を抜け出すと太陽は中天を少し過ぎたあたりのようだ。
ここで食事をしたくないので少し歩き適当な木に寄りかかって干し肉を取り出しかぶりついた。
少し塩気が強く喉が渇いたので水筒を取り出し喉を潤す。
この後はどうするか・・・。
魔物の討伐としては十分だろうか。
ならば、森の中で何か食べれるものを探してみるのも悪くないだろう。
魔力の濃い地域の特性として食べられる植物や果物が多い。
これは魔力が栄養剤の代わりになっているからという説がある。
まぁ、魔物がうろつく場所に来たがる学者先生は少ないので研究はほとんど進んでいないらしいが俺には関係のないことだった。