未知との遭遇
今回は主人公たちと別視点です。
岸たちと別れたあと、もう一つの班とも別れた。
「あいつ等、五人で大丈夫なのかな?」
「あいつ等なら、大丈夫だろ。岸もいるしな。それより、俺たちのほうがどっちかというとやばいかもな。」
「なんで?、新?」
新とは、鎌倉 新という、岸たちのクラスメイトだ。今は、中学からの親友、秋山 進と話している。今言ってたのは、岸たちのことだ。自分たちとは違い、五人で探索することとなり、なにかいやの予感がしていたのだ。だが、新は違うように思っているようだ。
「だって、あいつらは幼馴染で、仲いいから何かあっても連携は取れるだろうが、俺たちは10人とはいえそんなに仲良くないやつも入ってる。それで、連携とれるかって言われたら……まあ、無理だろうな。」
「そうだけどさ、それだったら、もう一つの班もそうじゃない?」
「いや、あっちには先生がいる。それに比べて俺たちは、岸みたいなリーダー格もいないし、先生もいない。」
「あ、そういえばそうだよね。」
「だからって、まあ、絶対何か起きるとは決まったわけじゃないし、心配はしてないけど、最悪のこと考えちゃうし、なんか嫌な予感がすんだよなぁ。」
「新の予感って何かと当たるからねぇ。」
「まあ、大丈夫だろ、何とかなるさ。」
「何の話してるのぉ?新~、進~?」
「いやな、咲。この班で想定外のこと起きたら、対処できるかなぁ~って話をしてたんだ。」
咲とは、松尾 咲、新の彼女でこの子も新と進の中学からの親友だ。
「大丈夫でしょ~。心配しない心配しない!」
「だな、ちょっと、怖かったんだ、実をいうとさ。」
「珍しいね、新。まあ、しょうがないか。知らない異世界ってのはな。何もわかんないからな。」
「でも、お前らがいてくれて、助かったわ。一人とかだったらまじ、死んでる(笑)。」
「ありがとうは?新?」
「ありがとうな、咲、進。」
「どういたしまして、新、くふっ。」
「お前らも岸たちに対抗できるぐらいラブラブだよなぁ。」
こんな感じで楽しく過ごしてる人たちもいれば、一方で
「大丈夫だよなぁ……。俺たち。」
「ま、まあ、何とかなるだろ。でも、怖いよなぁ。先生もいねぇし。」
「帰れるかなぁ。」
「お母さん、お父さん……」
と、怖がってる人たちがいた。というか、こちらが多数派だ。
そして、少し経ったときに、爆音が聞こえてきた。
「え、?」
「あっちって反対だから結構遠いけど、岸たちの班が行った方向じゃあ……?」
「やばい、よな。大丈夫かな。助けに行くのか?」
「いや、連絡はないし、とりあえずは大丈夫だろう。」
「でも、あんな音がなるってことは、何かがいるか、天災?って思うぐらいの大きさじゃ?」
「可能性はあるな。みんな、これからは、周りに気を付けろ。気を引き締めろよ。」
「「「うん…」」」
そして、ずっと気を張って、数時間。目の前に森が近づいてきた。
「少し入るか?、やっと変化があったんだし。」
「だな、木の実も見えるし。」
「でも、大丈夫かな。」
「何かあっても、近くにいれば大丈夫だろ。」
「だよな。」
そして、少し中に入って探索してみた。そこは地球とはくらべものにもならないほど、沢山の実がなっていて、どこを見ても赤だったり、緑だったりの果実がなっていた。今の地球は昔とは違い、木が伐採されまくっていたからだ。
「これって、食べていいのかな。疲れたし。」
「そうだが、毒は……。調べてみるか。ちょうど調べれる器具はあるし。地球のと同じ成分で、毒も地球より種類が少なかったらいいけど。」
そして、毒を鑑定することのできる器具『ポイマス』を使い、この周辺にあった果実を調べた。
「毒は、なさそうだな。日本のリンゴに成分も似てる。食べれるだろう。」
「「「よっしゃー!」」」
「そんなに、疲れてたのか……。まあ、俺もだが。俺も食おう。」
そして、みんなが食べ始めて一時間ほどたった時。
「お前ら、何者だ!!?」
そこには、エルフみたいに耳がとがっている人や、しっぽが生えている人と、地球には絶対いないような人たちがいたのだ。
「何をしている!?まさか、地下の国の盗賊か!?」
「……何のことですか?」
一番最初に冷静さを取り戻した新は、隊長っぽいエルフの人に尋ねた。
「地下の国の奴らの話など聞く耳は持たない!ここの実を勝手に食べてるのが証拠だ!我らの国であればこんな場所にはいない!」
「地下の国?というものはわかりませんが、この果実があなたたちのものならばすみません。勝手に食べてしまい。しかし、私たちも今日違う世界といってもわかりませんでしょうが、ここではない場所から来たのです。盗るつもりなどございません。」
「そんなウソ通じるか!転生人とでも申すか!?千年前に来た伝説の勇者だと以外に転生者は、ありえない!」
「しかし、これ以上の説明のしようもないのです。どうかわかってくれませんか?」
「ほざけ!転生人というのなら、力で、証明してみろ!、この世界に来れる力があるなら我らなど倒すのは簡単だろう!。そんなのは、ありえないがな!捕縛して連行だ!お前ら!!」
隊長っぽいエルフがそう言った瞬間3人は戦いの準備を一瞬で整えた。
「くそっ、みんな取り合えず捕まって、罪人というので連れていかれるのはやめたほうがいい。十人だこっちは。あっちは三人なんだ。何とかして、勝つぞ!」
「「「おう!」」」
そして、戦いが始まった。最初はみんな、三人に負けるわけがないと思って、甘く見ていた。だが、それが甘かったことを身に染みてわかる出来事が起きた。エルフが一回剣を振っただけで、二人の前衛が吹き飛ばされたのだ。
「弱いな、盗賊ども!。やはり転生人など戯言かぁ!」
「みんな、相手が少ないからって油断するな!」
そして、みんなの気が引き締まり、本気で戦い始めた。だがそれでも、劣勢だった。しかし、一人の兵士を倒したとき、劣勢だったのが一気にひっくり返ったのだ。そこからはもう流れるように勝敗が決まった。エルフが一人になったとき、
「ちっ、弱いがバランスが良かったか。いいだろう。とりあえず国についてこい。」
「なんで、ついていかなきゃなんねぇんだよ!。」
1人の生徒が言った、そりゃそうだ。負けたわけでもないのに
「なぜ、だと!ここは我らの国だ!」
「だが、俺達が勝ったんだ。ついて来いって何なんだ!」
「まだ、本気で戦ってほしいか?」
そう言うとエルフは、剣を一振りした。すると、さっきまでとは段違いの威力が出ていて前衛5人が全員吹き飛ばされ、後衛までその風は届いた。
「兵士との訓練だから軽くしていたのに、本気を出せと。そういうのか?」
「「「「………………」」」」
「黙って、付いてこい。」
有無を言わさないドスの聞いた声で言ってきた。
「みんな、行こう。みんな、気づいてないかもだが、この人は剣を一度も当ててない。」
「ほんとだ、な。行かないと死ぬな。」
「ほう、お前にこの寸止めが見えていたか、才能だけはあるな。」
そして、もう反論をいう人はいなくなり、黙ってついていくことにしたのだ。
「捕まったってことになりますかね?エルフさん。」
「エルフさんとは、なんだ。アスタシキアだ。いや、兵士二人を倒したんだ。転生人とは言い切らないが、一応国王には取り合ってみよう。人族の若いものがあんなところまで来れるわけが無いしな。転生人とは違うにしても何か特別な理由があるはずだからな。」
「ありがとうございます。」
そして歩くこと一時間見えてきたのは、街だった。それも、自然が残っているとこと比べると不自然なほど発達した都会だったのだ。
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