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草原の中で

よろしくです!


「は?……………………………。」

先生の声が異様に響く。

「ど、どういうこと?………客間のはずなのに。下見の時は、ちゃんと客間だったのに…………。」

先生は呆然とし、あたりを見回していた。

「先生、ど、ど~ゆ~ことなんですか?。王宮につくはずじゃあないんですか?」

「はい、そのはずなんですが………。」

みんなが周りをみる。

「……………建物一つ見えないですね……。」

「そうだよ!先生。どういうことなんだよ?!」

「いや、ちょっと私にも………わからないです。」

「いや、わかんないって!?、そんなの…………連絡は?」

先生が何かスマホに似ている機械を取り出し電話をかける。

「あ……………ちょっと待ってくださいね。予定通りの場所なら連絡がつくはずです。」


プーープーープーー………………


電話からなる音が悲しい現実を教えるかのように何回も途切れることなくなり続けている。


「………つ、つながらないです。」

「ど、どういうことですか?」

先生が少し俯いて考えを言った。

「え、え~とですね…………今ここが予定地じゃない可能性と、魔法の使用を制限するような結界の張ってある空間の可能性があります。」

「じゃあ、一応予定地の可能性もあるんですね。」

「はい、さっき使った携帯は特定の場所なら異世界でもつながるように魔法がかけられた強力な魔法具(マジックオブジェクト)です。ですが、いくら強力な魔法具といっても結界があれば使えないのでその可能性もないことはないんですが……………。」

「先生、でも、何がしたくてそんなことを?」

「わかりません………………」


生徒たちの頭の中が悪い予感で染まっていく。


「先生、でも下見の時にはちゃんとこれたんですよね…………?」

「はい、その時にはちゃんと客間で応対されて………。」

「じゃ、じゃあ、ドッキリでしょ。」

「あ、あ~そうだよな。よく考えてみればそうじゃね~の?」

皆が口々に言いだしドッキリだと考え出し、いやな予感で顔をしかめる人も少なくなった。……………しかし


「先生それにしてもドッキリだとしても遅くないですか?」

「ですよね。みんなに自己紹介してもらって、観光案内の説明をして、班で別れて観光する時間をとる予定だったのですが、もう時間が結構すぎていて………。」

その言葉を聞き、1人の生徒が

「お~い。王宮の人~。そろそろネタバラシしていいぞ~。もう気づいてるぞ~。」


と言った。だがあたりは静寂に包まれ全く反応はない。風の音がするくらいだった。

「本当に時間ないですから王様。そろそろでてきてくださいませんか?」


それにも一切反応がない。


「その上、一つ変なんですよ。こんな魔法具が使えなくなるほどの結界。こんなに長い時間保てているのは、なぜなのでしょう。もうここにきてから三十分はとうに経っています。そんなに魔力があってこんな高等技術の使える人は、いないと思うのですが………。」


先生がそう言うと、また生徒たちの顔に不安の色が染まり始めた。すると、ある一人が、


「え、じゃあ、ここは予定の場所じゃないってこと?先生も分からない見知らぬ場所ってこと?…………。」


すると、みんなが


「え、帰れるの?」

「ってか、ここはどこなんだよ?!」

「やばくないか?」

「帰る手段はあるの?」

と口々に言い始め、混乱し始めた。

すると、そこで岸が

「みんな!、一旦落ち着こう?先生、今の状況を整理しましょう。」

「……はい、そうですね。みんな静かにして集まってください。」


そしてみんなが集まってきて一旦状況を整理した。

(今の状況はこうだ。

まず、修学旅行で異世界に来た。

すると、予定した場所とちがった。

連絡手段もなく、地球と連絡がつかない。

そして、取り敢えずみんなと話し合った結果、原住民(異世界人)を探すことになった。)


そして、

魔法具携帯は、同じ世界でなら電話ができることが分かった。(結界でできないという可能性は消え去ったが。)それが、三台あったので、三つのグループに分かれて異世界人を探すことになった。

一つ目はなんだかんだ一番おちついて行動してみんなのリーダー役の岸の勇者班(そう呼ばれたとき岸は倒れかけたが)あと、あと四つの班が二つの班に分かれて三つのグループとなった。


「では、皆さん。気を付けてくださいね。何かあったら絶対連絡するように。」

「「「「「「はい!!」」」」」」

そして、異世界での旅が始まった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~


岸の班の話


皆と離れてからもう一時間、連絡もどこからもなく、岸たちも何もなかった。

「この世界にまず、何もね~んじゃね~の?」

「その可能性はあるっちゃあるんだが…………。」

一歩が何か見たようだ。

「だが?どうした?」

「さっき、空を何かが飛んでたんだよな~見間違いかもだけど…………。」

「はあ?!まじかよ。先に言えよ?!」

「いや、みんなで静かに話し合ってた時だったから……。」

「まあ、言いにくかったのはわかったけどどんなんだったんだ?」

「え~と、ほんとにゲームに出てくるような、竜に見えた……。」

「………やばくねーか?」

「ああ、だから見間違えだと信じて誰にも言ってなかったんだ。」

すると、雄成が

「そういうことか。まあ、大丈夫だろ。ここまで何もなかったんだし。これからもなにもねぇだろ。」


他の四人の心のなかで(あ、こいつ、フラグたてやがった。)と思った時だった。そのフラグをキチンと回収しに来たのか。と言えるぐらい完璧なタイミングでそれは来たのだった。


「なあ、いきなり暗くなったことないか?」


その一言で皆が上を向くと、それは、……


「あれは、なんだ?………」

「近づいてきてるな……。ゲームでよく見るような………。」

「「「竜だ!!」」」

「逃げろ!?落ちてくるぞ!」


いきなり落ちてきたそれに岸たちは驚いて少し呆けていたが、すぐに気を取り戻して散開した。


ドーーーーーーーーーーーーーーーーン


爆弾でも爆発させたのかと思われるほど爆音がなり地面が揺れた。


「は?………。」

「西洋の竜に似てるというかほぼおなじだけど………。」

「怪我か?」


そう、落ちてきたという表現通り飛べなくなって落ちてきたのだ。


「ほっとくべきだよな。申し訳ないが関わったらめんどい気が……」

「だな、まあその前に電話してこのことは知らせるべきだな。」

「ああ、だが一旦離れてからにしようぜ、起きて襲ってきたらやばいし。」

「だな、一旦離れようか。」


と、一旦その場から離れようとすると


「グルゥゥゥゥゥゥ。」

「「「「「は?」」」」」


一人もその竜の怪我の原因を考えていなかった。その怪我の原因、そう、もう一匹の竜がいたのだ。

するといきなりその竜は襲い掛かってきた。


「うわぁぁぁぁぁ。」

「やばいやばい、逃げろぉぉ。」

「みんな、落ち着け!!、迷宮攻略用にフォーメーション考えただろ?、竜も魔物だ。あきらめず戦うぞ!」

「「「「ごめん、慌てて!すぐやる!」」」」



先生に実力が認められ、一つの班での行動が許された班。さすがというべきか、フォーメーションが整うまでわずか五秒。だが、すぐできたといっても初戦。竜が五秒の間で詰めてきて攻撃してきたのには反応しきれず岸に攻撃が入る。


「ぐふっ」

「「「「雄成!!?」」」」

「だ、大丈夫だ。乱されるな!攻撃しろ!」

「「おう!」」


一発攻撃が竜に入る。だが攻撃は通らない。全て攻撃が竜鱗に弾かれた。


「はじかれる。」

「やばいぞ、攻撃が通らねぇ。」

「どうすればいいの?」


悩んでるうちに竜がそのすきを逃すわけがなくまた攻撃が入りそうになった時


「グルァァァァァァ!」


横から先ほどまで倒れていた竜が突進してきた。横からも前からも攻撃がきて、誰もが死ぬと思い目をつむり、防御すらしようとしなかった。だが、


「グルワァァァ!!!」


横からの竜の攻撃は雄成たちではなく前の竜にあたったのだった。


「「はぁ?」」

「助けてくれたのか?」

「いや違うだろ。たぶんさっきまでもこいつと戦ってて怪我してたんじゃないかな。だから俺たちじゃなくあっちに。」

「ああ、なるほどな、なら今のうちに逃げるか?」

「いや、さっきまでもこっちの竜は負けてたから怪我してたんだろ?今のままならまた負けて、そのあと俺たちのところ来るぞ?」

雄成は少し考えて

「じゃあ、あの竜を助けてあっちをたおすか?」

「それしかね~な、やるぞ。」

「「「「おう!」」」」


今の話をしている間に突進された竜も立ち上がり攻撃しようとしてきた。

だが、その攻撃は前の竜が止める。その間に岸たちは鱗のない横っ腹から攻撃を入れる。

それを繰り返しているうちに、相手の竜がボロボロになり力も弱まってきた。

そして、もう一回それをすると、


「グルワァァァァァァ!!!」


最後という風に威嚇のように声をあげ、岸たちの足が止まったのをみて竜は逃げて行った。


「よっしゃああああああああ」

克樹が拳を突き上げて叫んだ。

「ふう、勝てたな。」

「うん、よかった。」

「雄成、大丈夫?最初にやられた傷。」

「ああ、大丈夫だよ。ありがとう、美緒。で、どうする?この俺たちに味方してくれた竜は?」

「ああ、どうしようか、攻撃はしてこないし、助けたんだから攻撃するわけにもいかねえし。」


すると、竜は背中をこちらに向け翼をはためかせて、クルゥゥゥと先ほどまでとは異なりかわいい声で鳴いたのだ。

5人は顔を見合わせた。


「乗れってか?」

「そう、かもね。」

「大丈夫かなぁ?」

「まあ、乗ってみようぜ、雄成も怪我してて、歩く回るのは危ないしな。」

「だね、そうしよう?雄成が心配だし。」

「みんな、ありがとう。じゃあ、乗るか。」


そして、岸たちは竜の背中に乗ったのだった。


「クルワァァァァァン」

「結構かわいい声で鳴くな、さっきまでとは大違いだな。」

「そうだな。で、雄成先生に電話しなくていいのか?」

「ああ、それなんだが最初にやられたとき、壊れちゃってさ。」

「まあ、しょうがないな。とりあえずは竜に合わせるか。」

「だね、でね、竜って呼ぶのもなんだから、何か名前付けない?」

「ああ、いいかもな、なんて名前にする?」

「じゃあ、助けてもらったし、救世主ってことでセイヴァーは?」

「あ、それいいかも、よろしくね、セイヴァー。」


セイヴァーと呼んだ時の竜の顔は喜んでる顔になぜか見えたのだった。


そして、セイヴァーに乗ってから一時間ほどすると、あるものが見えてきた。



「竜?、人?家?………」


そこは、竜と人がたくさん住んでいる町だったのだ。


カクヨムでも出してます!

カクヨムでは、恋愛物も出してますので見てみてください!

あと、より良い作品にするため、評価、感想いただけると嬉しいです!

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[一言] 竜が近付いてくるとは…なんて日だ! それと【定期】便座カバー
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