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11番目の神 ~俺と勇者と魔王と神様~  作者: 琴乃葉 ことは
第一章『それは、新しい日常』
19/45

第十七話「追求」

今回、話の区切り的にちょっと短くなっています。その代わりといってはなんですが、以前から製作していたイラストを載せておきました。

「プロローグ」前の「イラスト」から見れます。

是非、見てみてください。

 水色の月明かりの下、魔王城に設置されている一つの塔の上に二つの人影あった。一つは黒髪の少年、もう一つは金髪の少年だ。二つのシルエットは屋根という不安定な場所にも関わらず、器用にも胡座をかいて座っている。


「リリィーじゃなくて残念だったな」


「ははは、それは昼間のお返しのつもりかい?」


 俺が昼間シオンにからかわれた時の仕返しに、全く同じセリフを返してやるとシオンは笑って受け流す。


「お前だってわかってんだろ? リリィーに好意もたれてんのは」


「そりゃ気に入られてるのはわかるけど...」


 自分で好かれていると言うのは口に出しずらいのだろう。シオンの返す言葉は歯切れが悪い。


「しかしあいつも惚れやすすぎだろ。まだ数日だぜ? どこかの箱入り娘とかだったのか?」


「んー? どうなんだろう? 僕らは自分の過去を話をしないから」

(あの風呂場の事件があったからなぁ、意識してしまうのも仕方ない気が...)




「それで話ってなんだい? こんな話をする為に呼び出したわけじゃないよね?」


 シオンもだいたい察しているのだろう、敢えて挑発的な笑みを浮かべている。そりゃそうだ、人が来ないようわざわざこんな所を選んだのだ。その意味に気づかない訳がない。


「あー、まあその過去の話ってやつなんだが...」


 俺はなんと言えば良いのかわからず口ごもる。


「いや、単純にいこう。お前、隠していることがあるだろ? それを全部教えろ」


 俺の唐突な追求にシオンは特に驚いた様子もなく、俺の言葉に続ける。


「よくわかるね。ちなみになんでそう思ったのか聞いても?」


 隠す必要もないと感じているのか、とぼけることもない。普通になぜわかったのかと理由を聞いてくる。




「一つ目、今日の昼間にお前のことをシオンにいちゃんと呼ぼうとした、スラムの子とはどういう関係だ? なぜ隠した?不自然すぎる」


 隠すことに無理があったと自覚しているのだろう、シオンは苦笑する。


「二つ目、お前のその身体について。ボルガーに問われた時、人間だって答えたな。だが、スキルも称号もなしであの身体能力、そして、不気味な回復能力、どう考えても普通じゃない」


 この事についても一度目撃されているからだろう。シオンも追求されるのを仕方ないと割り切っているようだ。




「最後に三つ目、『平和な世界を作る』お前はそう言ったが本当の目的はなんだ? 最初こそ馬鹿みたいに勇者やってるのかと思ったがそれも違う」


 俺の最後の追求にシオンは少々驚いたような反応を見せる。


「僕が平和な世界を望んでいないって?」


「いや、望んでるんだろ。でも一番の目的じゃないはずだ。もし人々を助けたいなんていうなら、なんでサイクロプス事件の時真っ先にやって来なかった」


「それは、君たちが先についていてなんとかしてくれると思ったから——」


「違うな、俺とイブも成り行きで助けたが、普通なら会って日も無いやつらに国民の命を預けたりはしない。それに、先に着いたのが俺たちっていうのもおかしい。俺とイブはあの時《瞬間移動》を使わず歩いて向かった。なら南門に近かったお前が先についた筈だ」


 シオンの言い訳を一蹴し、そこまで一気にまくし立てると彼は肩をすくめた。


「君は探偵にでもなるつもりかい?」


「俺としてはこっちの世界にも探偵なんてものがあることに驚きだ」


 俺もシオン同様に肩をすくめて返す。




「それで、怪しさ満点のお前は俺の信用を取り戻してくれるのか? 場合によっちゃ今までに得たスキルで全力で逃げさせてもらう。お前に移動系のスキルがないのは知ってるからな」


「......」


 しばらく沈黙が続いた。風の吹き抜ける音だけが聞こえる。ここは塔の上だ、遮るものか何も無いので度々吹く強風が全身を打ち付ける。




「やっぱり教えてはくれないか?」


「あー、いやごめん。何処から話せばいいかと思って」


 しばし顎に手を当て考え込むシオン。


「...教えてはくれるのか」


「君はイセカイジンだからね。少なくとも敵にはならないと思うから」


「ならなんで今まで黙ってたんだ?」


「明るい話題じゃないからね。単純に僕が話したく無かっただけだよ。ようは気持ちの問題さ」


 そう言われると、必要な事とはいえなんだか申し訳なくなってくる。


「あー、なんか悪いな。無理矢理聞いちまって」


「いいよ、別に」


 そこで謝る必要は無いとシオンは苦笑する。




「それじゃあ、ちょっと昔話をしようか。僕には、一人の妹がいてね——

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