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桜餅二つ

作者: ふみわ
掲載日:2016/04/17

「なんでっ!? どうして、これなのよぉ!」

「え? だって、桜餅食べたいって言ったじゃん」

「言ったけど、これじゃないのよ!」


 今、私の目の前には桜餅がある。それは、コンビニに行ってくるついでに友達に頼んだもの。

 だけど、友達が買ってきたのは私が食べたかった桜餅ではなかった。


「私は関東風の桜餅が食べたかったの!」


 そう、目の前にはつぶつぶした桜色の餅米の桜餅。これは主に関西で作られる関西風。

 私が食べたかったのは、しっとりとした平たい皮の関東風の桜餅だったのだ。


「同じじゃん」

「全然違うでしょ!」

「なんで、関東風のがいいの?」

「うっ・・・・・・だって、これは葉っぱが取りにくいじゃん」

「はぁ?」


 友達が眉間に皺を寄せてわけがわからんという顔をする。

 だけど──


「つぶつぶは皮に葉っぱがくっついて取ろうとしたら、切れちゃったりして上手く取れないでしょ」

「そんなこと? 葉っぱも一緒に食べればいいじゃん。これ、食べても平気だよ」

「知ってる! けど、変な味するんだもん」


 ぷいっとそっぽを向く。

 すると、友達がパックに入った桜餅を一つ取り、差し出してきた。


「ほら、せっかく買ってきたんだから食べなよ。あんこたっぷりだから、葉っぱの味もそこまで気にならないよ」

「うぅ」


 頼んで買って来てもらったのは事実なので、しぶしぶ桜餅の半分くらいをかじる。

 葉っぱがぷつっと切れて、歯が餅米を通過し、甘いあんこに辿り着く。

 ん? あれ?


「あれ? 平気だ。葉っぱ、そこまで不味くない。なんで?」

「ひょっとたら、好みが変わったんじゃない? 味の好みって大人になるつれて変わるらしいから」

「そっかー、美味しい」

「私も食べよ」

「うん。あっ、水筒のお茶あるよ。ほうじ茶」

「ちょっとちょーだい」

「うん」


 桜餅に夢中になっている私達の真上で桜が咲いている。

 お花見に来たはずなのに・・・・・・。

 花より団子──いや、桜餅な二人でした。


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― 新着の感想 ―
[一言] ほのぼのとしていて読んでいて思わず頬が緩んでしまいました笑 面白かったです、これからも頑張ってください応援しています。
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