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冬ごもり

作者: 本宮愁

恋愛感情なんてよくわからなくて

流行りの慕情こいうたに言葉重ねてみても

答えは遠いまま


切なさだけは知っていたから

流行りの哀切こいうたに心重ねてみても

あなたに届かない



雪路に散った足跡 一人分

旅立つ彼の行き先は

たしかに印されていたけれど


抱き上げられることに慣れた両脚は

冷ややかな静寂を前に

独り怯えて立ち竦んだの


降りやまない雪の下

庇護者の事跡がうずもれる前に

重い扉を閉ざして拒んだの



ゆらりゆらめく暖炉の火

ラジオの唄声に耳をすませて

どこにいるの と囁いた

扉は固く閉ざしたまま


外套ぬけがら零した合鍵わすれもの

好きでもない茶葉をポットに入れて

沸かすお湯は二人分

内鍵はきっと壊れたまま



雪路に散った足跡 一人分

先立つ彼の行き先は

たしかに記されていたけれど


抱き上げられることに慣れた両脚は

冷ややかな静寂を前に

独り怯えて立ち竦んだの


降りやまない雪の下

庇護者の事跡がうずもれる前に

重い扉を閉ざして拒んだの



恋愛感情なんてよくわからなくて

流行りの慕情こいうたに言葉重ねてみても

答えは遠いまま


切なさだけは知っていたから

流行りの哀切こいうたに心重ねてみても

あなたに届かない



書置きの灰が眠る暖炉

雪解けの春はこない

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