銀河系バカ
この絵の具臭いのがいい。
古くさいのがいい。
ここに"彼女"がいるのがいい。
俺は 長谷川朋也。十六歳の高校一年だ。
兄と弟がいる。…って 俺の家族構成なんて誰も興味ないですよね?(笑) すみません。
「はせ~ いる~?」
「いますよ~」
「いないの?」
「いますって!!!」
「声 聞こえんだけどなぁ… 姿が見えない。やっぱり いないんじゃ…」
「え? こんな至近距離にいるのに俺… 見えてないの!? もしかして…俺ってもとから存在してないとか!?」
「うっさい ボケ。見えてるから 黙りなさい銀河系バカ。」
俺が至近距離にいるのに存在を認めてくれないこの毒舌な人は 下野律。俺の一個上の高校二年生だ。
「傷付きますよ?俺。」
「だったら 黙りなさい。銀河系バカ。」
…俺… 心が折れそうです…
俺がショックを受けている最中彼女は 部活の準備を始めた。
俺と彼女こと下野律先輩は たった二人で美術部に所属している。…たった二人で"部"と呼べるのかとお思いの方もいると思います。…この世界では大丈夫なんです。OKなんです。
ゴホン。話がそれてしまいましたね?
「はせ キモい。」
言うと思いましたよ。だか 俺だってやられてばっかりじゃないんですよ?
「先輩は綺麗ですよね?」
「あらそう? ありがとう。」
俺は今まで何を見てきたんだ!!! 彼女がこんなことで取り乱す柄じゃないことくらい 知ってただろうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
「バカ丸出しの行動をやめてもらえる?銀河系バカ。」
「俺にも 人権はありますから!!!」
「あら?貴方人だったの?」
この人は俺をなんだと思ってたんだ? この人の99.99999999999999999999999999999999%
はきっと悪意で出来ているんであろう。きっとそうだ。だから 俺のことを人として認識してない上 邪険に扱うのはもう… 悪魔も同然である。
「先輩…… 俺…」
「嘘よ。」
「へ?」
突然のカミングアウトに間抜けな声が出る。
何が嘘なのだろう。頭の中が?マークでいっぱいになる。
「だ~か~ら~!!! ごめんって言いたいのよ!!! 貴方の反応を見るのが楽しかったの!!! 予想以上に反応が面白くて… つい…ね?///」
ね?の時に小首を傾げるのはやめて欲しい。おまけに耳を真っ赤に染めながらその可愛らしい仕草をされると ドキッとする。
先輩はきっと無意識なのだろう…。俺得なのだが… 少しばかり…気にして欲しい。
「先輩の可愛らしさに免じて許してあげますよ。」
「ありがと!!! はせ!!!」
とてもいい笑顔ですのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ。この笑顔を見るだけで すべてのことを許せてしまう…気がする……(笑)
「これからも… いじりまくるからよろしくね? 長谷川朋也君?」
「はい!!!…… あれ?気のせいかな? いじりまくるからって聞こえた気がする…」
「気のせいよ。さぁー 部活を始めますか!!!」
「先輩? 正直に答えて下さい!!! 言いましたよね?いじりまくるからって」
「ぶっかつ♪ ぶっかつ♪」
スルーされてるってことは 言ったんだろうな…。絶対…言ったんだろうな………。
それでも まぁ いっかと思ってしまうのは惚れた弱味だろうか。でも………
「先輩の笑顔が見れるなら それでいいか!!!」
「なんかいった?」
「いってません!!!」
「そう? あっ!!!はせ!!! 準備室から道具持ってきて!!!」
「はーい(* ̄∇ ̄)ノ」
先輩にこきを使われながら 頑張って部活に参加していこうと心に誓った。
皆さん? 俺は決して………
マゾじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇェェェェェェェ!!!
以上!!!(笑)