幽式と星喰──二人が“異界魔獣”を討伐できる理由
1. リュカ・ネザの本質──幽体化と“視界内跳躍”
リュカの幽式の根っこは単純だ。
**“身体を持たない状態になれる”**ことが条件で、幽体化できる種族しか使えない拳法が幽式だ
肉体という重さが消える。
筋肉も骨も、関節の限界も、慣性も、重力も空気抵抗も――すべてが「関係なくなる」。
だからリュカの移動には、速度という概念がほぼ介入しない。
「視覚的に認識できる範囲なら、そこに行けるよ」
リュカは簡単に言う
「それ、瞬間移動じゃん……」
数多のツワモノの戦ってきたネフフルはその異常さを知っている
「うん。たぶん」
さらっと言うが、これは“ずるい”では済まない。
瞬間移動の本質は、距離を移動しないことだ。
つまり回避も接近も、敵の反応速度を根本から無意味にする。
物凄く気配を掴むのが得意な最強レベルの魔獣か、予知能力がある魔王と英雄ぐらいにしか察知できない
ただし――幽体化できる種族でも皆が簡単にできるわけではない。
素早く幽体の層と現世界を行き来する事、幽体から現世界へ戻る時、何もない空間に高出力の物体(拳の威力)を持ち込むのが至難の業なのだ。
戻る瞬間は、世界に負担がかかる。
空間に歪みが走り、エネルギーが乗る。
――だがリュカは違う。
「戻る時の歪みとエネルギー、その全部を…拳に乗せる」
ネフフルは思わず聞き返す。
「……出現の反動を、威力に変換してるってこと?」
「うん」
「何その理屈。やってることことやば (笑)」
リュカは無表情のまま、ちょっと嬉しそうにカラフルな瞳をキラキラさせ瞬きした。
以下が、リュカの幽式の正式な技名だ。
■ 幽式・蒼痕視
弱点を見る。
敵の体内、あるいは存在のどこかに浮かぶ現実では見えぬ“弱点”を視認する。
核、急所、妖気の結節点、封印の綻び――。
■ 幽式・蒼痕刻印
弱点を強制で作る。
本来弱点がない相手にも、蒼痕を“刻む”。
刻まれた蒼痕は、そこが「壊れやすい場所」として世界に認識される。
つまり、後の一撃が通る。
■ 幽式・蒼界乱断拳
速度を超えた乱れ打ち。
幽界↔現界を超高速で行き来しながら拳を叩き込む。
見た目は“影分身”。
本質は、殴るたびに出現の歪みエネルギーを拳へ載せること。
■ 幽式・零拍
衝撃も音も風も気配も一切ない一撃
場合によれば超絶強力
誰も気づかない。
気づいた時には、壊れている。
■ 幽式・氷焔掌
左右の手に“超氷”と“超熱”を乗せる。
冷却と加熱が同時に叩き込まれるため、
物質は脆くなり、肉体は混乱する。
“相手の成立”を壊す。
■ 幽式・薄影歩
完全ステルス。
リュカが本気で隠れると、同じ空間に居ても発見できない。
ネフフルは変な事ができない。
■ 幽式・幽衣
身代わり/ダメージゼロ。
攻撃を受けた瞬間だけ幽体へ逃がし、
“当たった事実”そのものを薄める。
見た目には被弾しているのに、傷がない。
ただし乱用すると疲労する
■ 幽式・静界
半径50メートルを強制的に静かにする。
音が消えるだけじゃない。
“ざわめき”が消える。
“場を支配する”ための技だ。
つまりはリュカ自身だけでなく周りにも影響を与える
3. 禁じ手──幽式・還界
ネフフルが一番困惑した顔をしたのが、この話だった。
「……それは、使うなよ。マジで」
リュカは素直に頷く。
「幽式・還界は……別の世界の層に送る技、あまり使うべきではないとお師匠様も言ってた」
ネフフルが聞く
「お師匠様って?」
「リリリ様」
「変な名前」
倒すのではない。
封じるのでもない。
存在を、別の世界の層へ送る。
相手が戻れない場所に行けば、それは勝ちだ。
しかし色々と歪ませる可能性がある
だから禁じ手。
4. ネフフル・ミーナ──星喰を扱える“人ではない”理由
説明が終わった頃、ネフフルはわざとらしく咳払いをした。
「で?美しい私のターン?」
「うん、ハッピーターン」
「よろしい。じゃあ教えたげる。――この刀は、普通の人間には握れない」
背中の名刀、星喰。
鞘ごとただ背負っているだけで、周囲の空気が引き締まる。
星喰は、太古の魔法侍術を扱える“種族”だけが使える。
ネフフル自身、厳密には人ではない。
太古の叡智が作ったデザイナーズベイビーの末裔。
超人的に設計された血。
肉体の基礎性能が違う。
脚力・腕力:人の100倍
肉体の老化は成人でストップする。肉体の超再生機能もある
つまり不老不死に近い
反射神経:常人の領域外
集中力:極限に達すると“覚醒”する
そして何より、魔法侍術の発動には――思念が重要だ。
「斬る直前、刀の軌道に異界文様が出る。あれが魔法の“コード”」
「知ってる。キラキラしたやつ」
異界文様は、ネフフルの精神に反応して色を変える。
色=効果。
つまり、斬撃そのものに属性や状態異常の魔法が付与される
5. 魔法侍術──古代文様の色と効果
■ 居合断星
弱点に当てさえすれば強制エンド。
蒼痕に合わせて抜けば、星喰は“断つべきもの”を理解して終わらせる。
肉体でも、核でも、妖気でも、呪いでも。
■ 古代文様の色(発動属性)
赤:燃える・爆ぜる(火)
黄:稲妻(雷)
青:一帯を凍らす(水、氷)
金:貫通・硬いものに強い(破壊)
紫:毒/呪い(状態異常)
白:浄化/封印(霊系特効)
黒:吸う(相手の妖気やエネルギーを奪う)
6. 覚醒──波動の可視化と“英雄の再現”
ネフフルが集中の極致に達すると、現象が起こる。
刀が煌く。
そして――全身の波動が視認される。
嵐のような、透明に近い波動。
空間が鳴る。
それは星喰の元となった神獣と戦った英雄と、同じ波動。
ネフフルが英雄の域に近い証拠。
覚醒状態では、性能が文字通り“別物”になる。
防御完全無視
属性効果・状態異常:10倍
身体強化:10倍
居合速度:10倍
居合速度に比例して威力も10倍
それはもう技術じゃない。
災害に近い。
7. 二人が組むと何が起きるか──勝ち筋の完成
リュカとネフフルは腕を組み、勝ち誇った顔で言う。
「分かった?私達が最強」
リュカは無表情で言う。
「お金無いけど」
その言葉が、このコンビの全てだ。
奇妙奇天烈な凸凹最強美少女コンビ
「……ねえリュカ。世界征服しよっか?」
「うん、学校いってみたい」
「いや、それ制服」
「リュカ学校行きたかったの?」
「いや、めんどくさい。」
「なんじゃそれ」
「今は楽しい」
「そりゃ....よかった」
「うん」
ふざけてるようで、ふざけてない。
二人が仲間でいる限り、世界はまだ安全だ。
二人のおかげで、電脳タウンのネオンが瞬ける。
そして、どこかでまた――
“別の異界”が、静かに息をしている。
お前らは最強をまだ知らないと..............




