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1話 いくつかの気づきと始まり


目が覚めるとジョ◯ー・デッ◯似の金髪イケメンが俺の顔を笑顔で覗き込んでいた。

誰だよこいつ...?俺は助かったのか?

つうか...こいつデカくね?

こいつの顔、俺の顔の2倍以上はあるぞ?


「──レ!───リ!──!」

目の前の巨人は寝ている俺の足の方を向き誰かに話しかける。

何やら喜んでいるようだが何を言っているのかさっぱりだ。

「───エ...───ム」

女の声がする。

もう一人いるのか?


うおっ...!


さっきのイケメンに急に身体を持ち上げられ俺はもう一人の巨人の女に手渡される。

ブラウンの髪の女は俺の顔を覗き込み優しい目でこちらに微笑む。

ぱっちりとした目、綺麗な鼻筋、

美人だ...



「あうーえいあ」

俺はこの巨人達に誰ですか?と尋ねたつもりだった。

口から出たのはうめき声のような変な声だった。

なんだ一体?

体を起こそうとするが起き上がれない。

手も少ししか動かせない。

植物状態になって筋力が落ちたとか?


俺は視界からできるだけ情報を集めようとする

首も満足に動かせない。

なんだこの天井?

病院にしては古すぎる木製の天井が目に入る。



一体どこなんだここは...


---



二ヶ月が過ぎた

俺は転生したらしい。

漫画とかでよく見るやつだ....



俺は赤ちゃんになっていた。

転生...

何度も妄想した事はあるがそれが現実になるとは...

転生したのは見た感じだと中世くらいの時代だろうか。

あまり勉強きちんとやってなかったから分からないが..


最初に覗き込んできたイケメンと美人は俺の親らしい。

こいつとか言ってすいませんでした....


あんなイケメンと美人が俺の親ということはやはり俺もイケメンなのだろうか。

テンション上がるな。


俺の家は結構広めの平家で屋根裏部屋と畑があり

家の居間には大きな剣が壁にかけてある。

装飾はないが無骨な感じがかっこいい西欧風の剣だ。

それを見ていると毎回父親が

「───?──」

と毎回父親が話かけてくるが正直何を言っているかわからない。

父と母の年は見た感じ20代半ばくらいか。

俺の基準だと子供を持つには少し若いだろうか

この世界では違うかもしれないが...



---


更に半年と少しが経った。

最近ようやく言葉がわかるようになりいくつか分かったことがある。


窓から外を見ると大きな山が1km程先にある。

マミーの話だとあの山を越えると大きな都市があり、俺の住むガドナ村はそこに行く旅人などをターゲットにした宿場町らしい。



「アラス、お外見てるの?」

マイマザーが俺に話しかけてくる。


アラスというのは俺の名前だ。

リオラルク・アラスそれが俺の本名

俺的にはかっこいい名前だと思っている。


マザーの名前はエイラ

ファザーはネスト

と言うらしい。



「うい」

まだ喋るのはいまいちだがそのうちできるようになるだろう。

俺はエイラの方へハイハイで近寄る。


「あえっ」   ゴツンッ

まだ慣れていないからか体勢を崩し顎を床にぶつけてしまった。


「きゃっ!大丈夫アラス?!」


エイラが結構慌てている。思いっきりぶつけてしまったようだ。

俺は泣かないが結構痛い


「ちょっと待っててね、えっとハンカチハンカチ...」


エイラがハンカチをポケットから取り出す。


「えーっと確か...レ・フレスト・トウ・ラハト」


エイラが呪文らしきものを唱えると、

エイラの手に氷が出現しそれをハンカチで包みこむ

なんだあれ!?魔法か?!


「よしっ」

氷を包んだハンカチが顎に当てられひんやりとした感覚が伝わってくる。


「よしよし、痛かったね」

エイラが俺の顎を冷やしながら背中をトントンと叩いてあやす。


魔法...あるのか...!俺もやりてぇ...!

あっ...でも剣もかっこいいよな...どっちにしよう。

両方とかダメか...?


俺は魔法の本がないか家中を探し回ったが見つけることは出来なかった。


---

3年が経ち最近は簡単な読み書きがわかるようになってきた。

遅いと思うかもしれないがゼロから教科書も何もない状態だとかなり大変なのだ。


「母様!この本読んでください!」

言葉もかなり流暢に喋れるようになった

本を読むことはまだ難しいのでエイラに読んでもらう。

「じゃあ、おいで」

エイラが軽く膝を叩き俺はその上に乗る。



「むかーしむかしある所にゾディと言う心の優しい青年が住んでいました。

ゾディはママやパパ、友達と幸せに暮らしていました。

川で魚をとったり木イチゴをとったり、仕事を手伝ったり。


その頃、隣の国にとても強くて悪い魔物が現れました。隣の国の王様はその魔物を倒そうと国中から大人を全員集めました。

大人と王様は魔物を倒す旅に出発しました。

しかし待っても、待っても大人達は帰ってきません。


そして国は親がいなくなった子供達でいっぱいになりました。

ゾディはその話を聞いて子供達が可哀想だと思いました。

そしてゾディは12人の仲間を集め子供達を助けに向かいました。


国はお腹を空かせた子供でいっぱいでした。

ゾディと仲間はそれを見て自分が持っている食料を子供達に全部あげ、自分達は山へ狩りに、畑も沢山作りました。


そしてできた食べ物をみんなで分け合いました。

国は笑顔で溢れました。

ゾディは皆に褒められました。


そしてゾディは仲間と一緒に国を作りその国の王様になり、奥さんと幸せに暮らしましたとさ。

おしまい。」


どうやらこの本は今俺がいる国、ゾディガ王国の建国の話を絵本にした物らしい。

家名は出てきていないが12人の仲間が今の公爵家の先

祖なのだとか。


ネストは話したがらないが、彼は公爵家の分家の5男?で家を飛び出してマザーと結婚したらしい。

駆け落ちとは...ロマンチックなやつだ。


---


更に1年が経った

「ご飯にするわよー」

本を読んでいると気づけば夜ご飯の時間になってい

た。


「わかりました、今行きます」

俺は読んでいた本にしおりを挟んで机に置き、居間へとむかう。


今日の飯はパンにネストが村の男衆で狩ってきた鹿みたいな生き物の肉、それからスープだ。

いつも通りエイラがネストの隣に座り、俺は二人に向かい合う形で座る。


「じゃあ手を合わせて、我等今幸いに、主神の加護と衆性の恩恵により清き食をいただく。旨し糧を。」

「旨し糧を」

今のはうちが信仰しているトミノ教式のいただきますだ。

うちの親は敬虔な信徒なのだ。

教義とかはあまりキリスト教と変わらないらしい。


今日の晩御飯は肉があるからいつもよりも豪華だ。

地球のご飯に比べれば味は劣るかもしれないが、母の料理ならなんでも美味しいのだ。

俺が夢中で食べ進めているとネストが話しかけてくる


「なあアラス...」

「はい?」

「アラスもそろそろ5歳になるだろ?だから...何か欲しい物とかないか?」


誕生日プレゼントの話か。

去年は沢山の絵本、一昨年はエイラとネストが手作りしてくれた獣の革と木でできたペンダントだった。


「その...やりたいことでもいいですか...?」

「勿論だ、何がやりたいんだ?」

「その...剣と魔法を...」


二人は少しキョトンとした顔をして俺を見つめる

2つは欲張りすぎたか...?


「...二つともやりたいのか?」

ネストが聞いてくる。

「は...はい」

「...剣の方は俺が教えてやる。だが魔法は...少ししか教えられないぞ。多分お前が思っているような魔法はまだ教えられない。」

「え...」


少し俺がガッカリしたのに気づきネストは

「い...いや!今は教えれないだけだ!ちょっとだけ待っててくれたらすぐ教えてやる!」

「ほっ...本当ですか?!」


俺の反応を見てネストはほっと胸を撫で下ろす。

「ああ、だからいい子にして待っておくんだぞ、

剣は明日から教えてやる。今日は早く寝なさい。」

「はいっ!ご馳走様でした!」


俺は早々に歯磨きと風呂を済ませ、布団に入る。

明日から...!楽しみだな...!

その日の夜はワクワクしすぎて中々寝付けなかった。

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