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傭兵から商売を始めたら、いつの間にか領主になっていた件  作者: 篠ノ目
第二卷 傭兵から商人へ② ――戦場の裏側で金を動かす

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第42章 援軍

フィルードは、ついに潮時が来たと感じていた。

今回は勝てる――そう確信できる状況であり、前回のように命を賭けて財布を空にする必要はもうない。

彼は振り返り、苦虫を噛み潰したような顔を作って叫ぶ。

「管事の方々、これは私を陥れる罠ですか! あなた方が提示した金額は……悪魔ですら心を動かすでしょう! やりましょう! 今日、この命を賭けます!」

その宣言と同時に、部下に合図を送り、小隊長たちへ商隊を前に進ませるよう指示する。さらにオオカミ男たちには、人間の存在を強調するため象徴的に縄で縛らせた。

やがて大規模な商隊が姿を現す。数人の管事たちは兵士の多さに呆気にとられ、顎が外れそうになった。

最初は高値を吹っかけられたと怒っていたが、今はその金額が安くすら思える。縛られたジャッカルや荷を背負ったジャッカルマンを目にして、複雑な表情を浮かべる者もいた。

フィルードは大きく手を振り上げ、声を張り上げる。

「陣形を組め! ゆっくりと前進だ! 正規の傭兵は補助兵の後ろに下がれ! 新人に機会を与える!

敵を一人倒せば正規傭兵に昇進! さらに銀貨一枚を与える! 上限なし! 戦死した場合は、家族に銀貨五枚を支給する!――進軍!」

号令と同時に、前列に並んでいた古参兵たちが左右へ退き、槍兵たちも中央へと後退して、新兵たちへ最前線を譲った。

三列に分かれた隊列がゆっくり前進すると、交戦中の兵士と豚頭族たちもすぐに気づく。

豚頭族の群れは意味不明な叫び声をあげたが、すでに人間に押さえ込まれている以上、離脱すれば大きな被害は避けられない。

やがてフィルードの兵士が迫るにつれ、豚頭族のリーダーはついに恐怖に屈し、騎兵八名を率いて背を向けた。

その瞬間、豚頭族の兵士たちは一斉に戦意を喪失する。拘束を免れていた者たちも次々に逃げ出した。

最初は死ぬほど緊張していた新兵たちも、それを見て勇気を取り戻し、前進速度を上げた。

「全軍、走れ! 隊形は維持しなくていい!」

フィルードの指示を受けるや、新兵も古参も堰を切ったように突進する。

「うおおおおっ!」

奇声とともに長槍が突き出され、逃げ遅れた豚頭族たちが次々と地に伏した。

恐怖に駆られた豚頭族たちは、愚かにも槍を捨てて背を向ける。

その背中を狙うのは、訓練された人間の兵士たちだ。鋭い槍先が急所を貫き、豚頭族は悲鳴を上げる間もなく倒れていく。

わずか十分足らずで、戦場には一人の豚頭族も立っていなかった。

逃げ延びたのは、最初にリーダーと共に逃げた数十名だけだ。

フィルードはすぐに古参三十名と新兵二十名をゾウンに任せ、その場を守らせる。

そして残りの兵士とオオカミ男を率いて追撃に移った。

護衛傭兵団も追おうとしたが、商人や管事たちが慌てて声を上げる。

「シャーロット団長! 協定を破るおつもりですか! あなたが商隊を離れたら我々の安全はどうなるのです!」

「違反すれば王国法廷に訴えますぞ!」

傭兵団長シャーロットは足を止め、苦々しく睨みつけた後、兵に休息を命じた。

一方、フィルードたちは止まらない。

消耗した豚頭族を追い立て、二十数分後、広大なテントの集落――小部族の拠点を発見する。

すでにリーダーは戻っており、略奪失敗の報せが部族全体を混乱に陥れていた。

兵士たちを見渡せば、追撃に残ったのは百七名。正規傭兵二十一人、ジャッカル十人、残りは新兵。だが先ほどの戦闘で恐怖を克服し、わずかに勇気を得ていた。

フィルードは歯を食いしばり、決断する。

「今しかない……!」

彼は兵士たちに干し肉を食わせ、二十分休ませると再び号令をかけた。

「陣形を組め! 部族へ前進!」

盾兵八名が前へ進み、槍兵がそれに続く。古参が前、新兵が後ろ。速度を合わせ、じりじりと距離を詰める。

混乱の中、豚頭族のリーダーは少年兵百名あまりをかき集めていた。だがその瞳に宿るのは恐怖だった。

距離が三百から二百メートルに縮まったとき、リーダーが八名の騎兵を率いて突進してきた――。

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