黒服登場
黒服Ⅰ「どうも、俺達なんでも屋です!」
黒服Ⅱ「人殺しから、死体の解体、なんでも承ります」
黒服Ⅲ「詳しくは!」
全員 「黒服メンバ~ズ~・・・」
黒服Ⅳ「ただいま会員募集中!」
黒服Ⅴ「・・・・・・」
豪 「なぁ、あいつ等、止めなくていいのか?」
親父 「フフフフ・・・構わん。所詮我々は、下請け業者、クライアントがいなければ成り立たない」
正也 「ちなみに今回のクライアントって誰なんだ?」
黒服Ⅰ「我々は、決して口を割りません!」
黒服Ⅲ「個人の尊厳を守ります!」
黒服Ⅱ「詳しくは!」
全員 「クロ○コ、メンバ~・・・」
豪 「ハイ、終了!!」
大型のワゴン車を見つけ、それに乗り換えた正也達は、淳の手の傷を手当てしていた。
「なんで、ここに淳がいるんだよ」
助手席から淳を見る正也。
「それは、こっちのセリフだ・・・なんで大学生のお前がここにいる」
「バイトだよ。悪いかよ・・・」
「あぁ・・・最悪だね」
険悪な不陰気に巻き込まれる小谷野と小野寺。
そして、山田とやけに楽しそうに遊ぶマリ。
「ハハハハ!めんこいな(かわいい)お前!食べちゃいたいくらいだ!」
そう言って山田はマリをくすぐり、マリもくすぐり返そうとするが、腕が届かなかった。
「ねぇ、豪の顔を切ったって本当なの?」
手当てをしながら由美は、淳に尋ねた。
「あぁ?・・・あぁそうだよ」
淳の答えに由美は淳の顔を思いっきり叩いた。
「なんで、そんな事したの!」
「知らねぇよ!しかもなんで今さら、そんな事を蒸し返すんだよ」
「おぃおぃ、勘弁してくれよ~・・・呉越同舟ってのは、こう言う意味なのかな~」
運転をしながら、そう呟く小谷野にその通りだと首を縦に振る小野寺。
「しかも、呉越同舟の本当の意味を知ってるか?」
運転席に顔を出し、小野寺が小谷野に話しかける。
「なんだよ。これ以上、最悪な状況になるって言うのか?」
「その通りだ。中の悪い奴等が、同じ船に乗って、嵐を乗り切るって話しだよ。・・・こいつ等も、協力し合えばいいけどな。」
「俺は、無理だと思うね・・・・三角関係より泥沼だ」
そう言いながら、小谷野は車のスピードを緩めて止まった。
「これ以上は、進めない。歩いて行こう」
車の前には、大量の瓦礫が待ち構え、まるで地震があったかのように建物は崩れていた。
「地震でもあったのか?これは・・・」
小野寺の言葉に淳は「そうだよ」と呟いた。
「・・・あんた等、知らないのか?地割れが起こるほどの地震があったんだよ。そしたら、化物共が現れた。」
地震が起きても揺れる事が無いホテルにいた彼等には、かなり新鮮でこんなに建物が崩れている事に納得した。
「・・・それにしても、私も豪みたく、なっちゃったって訳ね。」
第二症状の化物を倒しながら、上条はそう答えた。
「あぁ、そうみたいだな。・・・外に出てもこんな感じじゃ、市役所もやってないだろうな」
豪は刀に付いた血を振り払いながら、鞘に戻した。
「・・・あのさ、本気にしてないよね?本気で婚姻届出すつもりじゃないでしょうね?」
「何言ってんだ。希望を持ちたいって言ってたのは、お前だろ。」
「そ、そうだけどさ・・・」
「とにかく、この街から脱出出来てから先の事を考えよう」
「ねぇ、豪は好きな人とかいないの?」
「ん~、・・・だったら、仁は?」
「私は・・・・あぁ!もうこの話は終わり!さっさと行こう」
誰もいない道路を突き進む二人、その二人が歩いた場所には、化物の死体が転がっていた。
未だに戦い続ける築地と風の前に新たな敵勢力が現れた。
「やぁやぁ、人間殲滅メンバーの一人、ヤー・グリムです。グリムって呼んでください」
黒服に身を包んだグリムは、そう言いながら現れたが、築地達は戦いを止める事はなかった。
それどころか、風の投げたナイフが築地をすり抜け、こっちに飛んでくる始末だった。
「うわっ、あぶねぇ!」
飛んでくるナイフを避け、地面に倒れ込む黒服の男グリム。
「・・・あぁ、そう。シカトするんだ。シカトしちゃう感じですか・・・」
グリムは、立ち上がると黒い鞭を取り出し、大きな音を鳴らした。
すると、グリムの周りには大量のカメレオンが集合し、列を揃えた。
「俺の鞭で操れない猛獣はいないんだよ!・・・行け、奴等を喰い尽くせ!」
グリムは、大きく地面に鞭を叩きつけると、カメレオン達が一斉に飛び掛かって行った。
「邪魔を・・・するなぁぁぁぁぁぁぁ!」
交戦中だった築地と風は、互いに背中を合わせ、飛んでくるカメレオンを切り崩した。
化物達は、見た事もない化物に思わず行動を止めた。
「なんだぁ、貴様等は~。せっかくの殺し合いを邪魔するとは、おいクソ女、一時休戦だ」
築地の言葉に何も返す事なく、風は化物の集団に突っ込んでいき、築地は、飛んでくる化物を三枚に切り落とした。
「俺の機嫌は今、最っ高だった・・・だが、その気分を台無しにしたお前達は、すぐ死ね。今すぐ死ね!」
築地はそう言いながら、包丁を前に突き出して突進していった。
「あららら、やっぱり強いな・・・」
グリムは手駒のやられっぷりを見て、ため息を漏らす。
「お前等、一人ずつでやろうとするな!協力して戦え!」
グリムの指示にカメレオン達は、二体ずつになり、築地達を攻撃した。
「ヌゥゥゥゥ・・・」
築地は攻撃を防ぎながら後退し、力の無い風は、数で押し込まれると不利な状況になっていた。
倒しても倒しても、きりがなく現れるカメレオン。
車では、保住が体を丸めて大人しくしていた。
そして、その保住の乗る車の屋根を走る奴が現れた。
「ヒィ・・・」
保住は、頭を抱えて大きな体を丸めこんだ。
「仁!特攻する!道を作ってくれ!」
「了解!」
上条は、車を踏み台に高くジャンプすると、豪が走り抜けようとする周りのカメレオンに銃弾を撃ち込んだ。
撃ち損じたカメレオンを豪は、走り抜けながら倒し、築地達の所へと向かった。
「築地さん!」
築地の背中を襲いかかろうとしていたカメレオンを縦に切り裂きながら、豪は現れた。
崩れた地面に足を取られ、倒れる風に襲いかかろうとするカメレオンの頭に走りながら銃弾を撃ち込み、上条は風の腕を掴んで、後退した。
「大丈夫ですか?」
「・・・・大丈夫、助かった」
「築地さん、生きてたんですね」
「クッフフフフフ・・・相変わらずいい匂いだ。」
「いえ、そう言うのはいいんで・・・」
「さてと~、ここに来たって事はこいつ等を一掃する方法がある訳だよな?」
「・・・無いです。ただ、この化け物の向こう側に、鞭を持った男が居ました。あいつの鞭で化物は動いています」
「なるほどぉ、つまり奴を倒せばいいって事だな」
「おそらくは・・・」
上条は、豪の合図で、豪の先にいる化物に銃を向けて発砲し、その瞬間、豪と築地は化物を蹴散らしながら、突撃していった。
築地の掛け声が、上条の所まで届き、奥に進むたびに、男の声は小さくなっていった。
「なんなのあいつは・・・」
化物染みた叫び声に身を凍らせていた。
上条の横から化物が現れ、襲いかかろうとするが、その化物の顎下からナイフが突き刺さり、風はそのナイフを引き抜いた。
「あっ、ありがとう。助かったわ」
上条のお礼に、風は全くの無反応だった。
「あちゃ~、新たな勢力登場ってか?・・・勘弁してくれよ~、あいつ等今のうちに倒しておかないと、面倒な事になっちまうだろ・・・」
グリムは、近づきつつある築地達に面倒そうにため息を漏らす。
「よし、引こう。退却~」
「逃がすと思ったか?」
豪は背を向けるグリムの首横に刀を置いた。
「あれ?じゃぁ、今、俺の駒を相手してるのは、あの大男だけ?」
「そうだ。・・・色々知ってそうだし、聞かせてもらおうか?」
「そうだな・・・一つ言えるのは、その刀は大事にしておけって事ぐらいかな?」
そう言うとグリムは、後ろに立つ豪の腹に蹴りを食らわせ、豪は刀を横に振るうが、グリムは距離を取っていた。
豪は、両手で刀を握り、逃げようとするグリムに刀を振り下ろした。
鞭を両手で伸ばし、刀を抑えるグリム。
「へぇ、さすが、親父の腕を切り落としただけはあるのかな?」
「やっぱり、あの男を知っているんだな?」
「へへ・・まぁね」
刀に鞭を巻きつけて、グリムは豪の顔にパンチを食らわそうとするが、豪はそれを防ぎ、腕を捕まえると、相手を背中にまわして、払い腰を喰らわせた。
「ぬわっ・・」
仰向けに倒れるグリムの鼻先を潰そうと豪の拳が振り落とされるが、その前にグリムは豪の両足を弾き、バランスを崩した豪の腹にひざ蹴りを喰らわせた。
豪は腹に入った足を両手で抑えると、体を捻り足関節に持ち込んだ。
「イテテテテテ!」
グリムは、下に落ちる豪の刀を拾い、豪に切りかかり、刀は豪の頬をかすめ、血が垂れた。
「あぁ!もう頭にきた!仕事なんて関係ねぇ!お前は、ぶっ殺してやる!」
グリムは刀を構えながら、そんな事を言うが、後ろに立つ築地には気付いてなかった。
「死ぬのはてめぇだ・・・・」
「えっ?」
手に握られた刃こぼれの激しい包丁をグリムの頭の先から突き刺す築地。
グリムは、体を痙攣させ、築地はそのまま包丁を下へと押して行った。
グリムは頭から血を噴き出し、体を震わせ、包丁が首に達した時、ようやく体の震えは止まり、グリムは目を閉じた。
「・・・・さて、次はお前だ。豪」
「えっ?」
築地は包丁を逆手に持ち変えると豪に近づいてくる。
「えっ・・・築地さん。冗談でしょ?」
「冗談?冗談って言うのはなんだ?」
「それに・・俺達が争う理由なんて一つもないでしょ?」
「お前が俺よりも強そうだ。それ以外に理由はない」
「いやいやいやいやいやいや!意味が分かんないっす!・・・それにホラっ、向こうも無事に終わったみたいですし・・」
豪が指差す方向では、風と上条がカメレオンを退治し終えたらしく、上条がこっちに手を振っていた。
「フン・・・三対一はごめんだ・・・また会おう」
築地はそう言うと、闇に紛れて行った。
「あっ、保住だ!」
風が、車の中に二人を誘うと、中にはガマガエルが一匹、ふんぞり返りながら座り、それをみた上条は指をさしながら、言った。
「ゲッ、保住大臣!」
二人の反応に、不機嫌そうな顔が、さらに皺くちゃになる保住
「フン、貴様ら何ぞに名前を呼ばれる筋合いはない」
風は運転席に座ると、車を走らせた。
「なんでここにいるの?」
上条の問いかけにに応じる事なく、窓の外を見続ける保住
「仁・・・お前、ホテルの名簿見てないのかよ。名簿に載ってただろうが・・・パーティに出席してたんだよ」
「えっ?そうだっけ?」
よくあのホテルから生き残ったな・・・そう思う二人を乗せて車は走り出した。
瓦礫が道を塞ぎ、行く手を遮る中、先頭に小野寺と小谷野が立ち、その後ろに淳や由美、最後尾に正也の順番で並びながら、目的地に進んでいた。
「まっ、銃の扱いをしらねぇ野郎は、すっこんでろって事だよ」
「あぁ?てめぇだって素人同然だから、先頭じゃなくて蚊帳の外なんだろうが」
その言葉に淳は、正也を睨みつけながらそう言い放ち、図星を突かれた正也はさらに反論をするが、先頭の二人にいい加減にしろと怒鳴られた。
「おぃ、お前等、いい加減にしとけよ。こっちだって好きで守ってる訳じゃねぇンだ。そのまま続けるってんなら、お前等二人とも置いてくぞ」
小野寺はそう言い放ち、再び歩き出すとその後ろに山田が付いて行った。
「なぁなぁ、俺にも銃をくれよ。守る人数は多い方がいいじゃねぇの?」
「残念だな。お前みたいな情緒不安定な奴に、銃を渡す程、俺は馬鹿じゃない」
「えぇ~、じゃぁそっちの人は?」
「おぃおぃ、俺が駿よりも馬鹿だって言いたいのか?」
小谷野はそう言いながら、サバイバルナイフを山田に投げ渡した。
「銃よりもそっちの方が使い慣れてるだろ」
「へへっ、ありがとさん」
山田は、腰にしまい込むとマリの方へと戻って行った。
「おぃ、小谷野・・・」
「いいじゃねぇか、守る人数は多いに越した事はない。事実、元自衛軍のお前とレジスタンスの俺が2トップを組んでるんだぜ?」
「まぁ、確かにな・・・反りの合わないはずの二人が、後ろにいる奴等の仲違いを止めに入るってあり得ない事も起きてしまったしな・・・」
そう言う二人の後ろでは、声は出していないが相変わらずにらみ合いを続ける二人がいて、後ろを振り返らずとも、容易にその光景が想像できて、ため息をつく二人。
その時、遠くで爆発音と銃声が聞こえ、小野寺達は、音の鳴る方へ急行した。
「近いぞ!」
小谷野の答えに、全員物陰に潜み、小野寺と小谷野が様子を伺った。
数十メートル先にカメレオンが数体、崩れたビルの入り口に立ち、入口付近にはバリケードを築き上げ、交戦する人間がいた。
「正也、俺と小谷野が先に出る。援護を頼む」
正也は一度頷くと、先に物陰から出て、狙撃場所へと向かった。
二人は、正也の準備が終わり次第、物陰から飛び出し、カメレオンの方へと駆けだした。
正也は、こっちの存在に気付いたカメレオンの頭に銃弾を食らわせ、二人は銃を乱射した。
「早く、こっちに来い!」
弾幕を作りあげると、バリケードに潜む奴等に小野寺がそう叫ぶ。
バリケードからは、二人の人影が飛び出し、こっちに向かってくる。
「グレネード!」
小谷野は、銃に備え付けられたグレネード弾をカメレオンの軍勢に打ち込み、二人を連れてその場から離れた。
「ハァ、ハァ・・・た、助かりました」
救い出した二人は男女のペアで、まだ幼さが顔に出ていた。
「俺達、自衛軍のヘリを見つけて、後を追ってたんですけど、途中で化物に見つかっちゃって・・」
「あぁ~、死ぬかと思った~」
肩で呼吸する二人を落ち着かせ、まずは自己紹介をさせた。
「あっ俺、鯉沼 士郎っす。18歳です」
「私は、寿 カリンです。22歳です。」
二人は、観光地にやってきた寿と、この街に住んでいる高校生の鯉沼は、街で出会い、一緒に逃げていたと言う。
だが、その二人が持つ武器は、かなり強力なものだった。
鯉沼の持つ銃は、連射性で破壊力のある突撃銃で、特に寿が持っている銃は、ダネルMGLでグレネード弾を連発する事の出来る銃だった。
「どうしてそんな物を持っている?自衛軍でも、まだ使用されてないはずだが?」
元自衛軍の小野寺が首をかしげるが「レジスタンスじゃね?」とレジスタンスの小谷野が答えた。
「死体から拾ったんです。テレビやアニメでよく出てくるし、私、西日本の人間なんで、武装権が認められてるんで、銃の扱いは慣れてます。」
北東北や北海道よりも、レジスタンスの攻撃が多い、西日本では武装権を条例として施行されている地域も多く、逆に武装権を認められていない所の方が少なかった。
ほとんどの目が小谷野の方へ向けられるが、小谷野は全く悪びれる様子もなかった。
「お前らだってな、中央で生まれて育てば、こうなるさ」
「・・・・まぁいい。新しい仲間も加わった訳だし、そろそろ動き出そう。ここもいつまでも安全じゃないからな」
小野寺の言葉に全員が腰を上げ、テーマパークへと向かい歩き始めた。
「あの、風さんは、もしかして保住大臣の秘書とかそんな感じなんですか?」
静かな空間に耐えきれず上条が、運転をし続ける風に話しかけるが、風は返事をしようともしなかった。
「答えてやれ、風」
保住の言葉に、風は「はい」と小さく答えた。
「保住大臣は、私の父です」
二人が全然似てない事に対し驚く上条だが、豪は手を上げて「それは無い」と答えた。
「ごめん、俺、政治情勢とかも学んでて、保住さんの事も調べてたけど、保住さんは独身のはずだ。・・・まぁ愛人関係とかあったけど。」
「フン・・これだから何も知らん餓鬼は・・・」
頭に来るような発言を吐き捨てながら、保住は答えた。
「こいつは、人造人間だ。俺が研究者に資金を提供して作った」
「馬鹿な・・・人造人間の研究は条約で禁止されてるはず」
「あぁ、だから施行される前に作ったのだ。犯罪の遡及は原則禁止だからな。・・・人造人間は、俺達が望むように作る事が出来る。年を取らなくさせる事、無駄な感情を省く事、運動能力を極限にまで引き上げる事、形や色、年齢まで指定できる。そして、そいつの生きられる年月もな」
保住の言葉はまるで、風を道具の一つとして見ているかのような発言だった。
「こいつの父親は、確かに俺が注文したから父親という事で間違いはないが、遺伝的な物は一切関係ない。そして、こいつの母親は、ただのどこにでもあるフラスコ管なのさ・・・」
保住の言葉に豪は、保住の胸倉を掴み上げた。
「あんた、それでも人間か!」
「何を言い出す。なら聞くが、牛や羊、豚と言った喰い物は今やほとんどがクローンだ。それに対して不平不満があるか?動物は作ってもいいのに人間は駄目とはどういう理屈だ?」
「違う、俺が言いたいのは、そう言う事じゃない!人一人、作っておいて、自分の娘をまるで道具扱いする態度が気に入らないんだ!」
「フン、貴様等とて、同じ事だ。さっきの動きは明らかに、作られた人間にしか出来ない動きだ。」
「俺達は、人間だ!それは風さんだって同じ事だ!」
「・・・風、車を止めろ」
保住の指示に従い風は車を止めた。そして、保住は扉を開き、二人に出て行くように促す。
「気分を害する奴なんかと一緒に行動なんか出来るか。・・・出ていけ」
「まだあんたは、何も答えちゃねぇぞ・・・」
「その眼の傷はどうした。そこまで細かく複製されたと言う事か?」
保住の言葉に刀を掴む手が強く握りしめられるが、運転席から降りてきた風にナイフを喉元に突きつけられる豪。
「どうか、御退室願います」
風の指示に従い、車から降りる豪と上条。
「風さん、あんた間違えてるよ!なんのためにそいつに忠を尽くす」
「それは、父が私を必要としてるから」
「あんたの存在意義はそれだけなのか!」
「そうです」
「だったら、このガマガエルが死ねばあんたはどうする!」
「それは・・・」
明らかに戸惑いを隠せない風にガマガエルが叫ぶ。
「風!何をしている。さっさと車を出せ」
保住の指示に風は、逃げるように運転席へと駆けこんだ。
「風さん、あんたは人のためじゃない!自分のために生きてみろ!自分で生きる意味を見出すんだ!」
走り去る車に大声で、訴える豪。
「ねぇ、豪!・・・あれ!」
そう言って上条が指差した方向には、道端に倒れる一人の男がいた。
「生存者か!」
倒れる男に駆け寄ろうとする上条と豪。
だが、豪はその男から発せられる異様なオーラに気が付いた。
「仁!そいつに近づくな!」
「えっ?」
そう言って豪の方へ振り返る上条。その隙をついて、男は後ろを向く上条に襲いかかった。




